不良もどきとドSくん (Page 3)
そこには炒飯を作っている信雄がおり、祐介は声をかける。
「おう」
「あ、祐介、起きたんだ」
信雄は振り返ると笑顔で祐介を見つめる。
祐介はそんな信雄を見て照れてしまい、目をそらす。
先ほどまで行われていた行為とは真逆の明るい優しい笑顔に驚いたというのも祐介にはあった。
それを気にする様子もなく信雄は炒飯を炒める。
「もう少し待っててー、炒飯できるから」
「…おう、信雄」
「何?」
祐介が呼ぶと信雄が振り返る。
祐介は思い切って信雄にキスをすると信雄は驚いた顔をした。
しかし祐介はというとキスを自分からしておいて顔を真っ赤にしていたのだ。
その場から逃げようとする祐介の腕を信雄は掴んでキスをし返す。
「ん…っふ…、んんッッ…」
バードキスをディープキスで返され祐介は情けなく声を漏らす。
頭を固定され、逃げられない祐介は手で抵抗しようとするが、どんどん力が抜けていく。
結局抵抗もできないまま、唇を離されると同時に頭の固定も離された祐介はへなへなとその場に座り込む。
「んじゃ、炒飯食べたら“不良をやめる”っていうまでヤるからね」
「なっ!やめる!やめるからそれだけはやめてくれ…!」
懇願する祐介に信雄は「しょうがないなぁ~」というと炒飯を皿に盛る。
「じゃあ約束ってことであと二回ね」
と信雄はいうと炒飯を持ちキッチンを後にする。
祐介はその言葉に絶望したように座り込んでいた。
その日を境に祐介は不良ぶるのをやめたという…。
Fin.
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