雄穴貫通式~珊瑚龍神への供物~ (Page 6)
珊瑚龍神に身を捧げた甲斐もあり、充の病は奇跡的な回復をみせた。そして同時期に俺の妊娠が発覚。子種を注いでくれた50人は大喜びだ。
「ママ先生も可愛いなァ。もうすぐ産まれんだろ?」
「テメェだけズリィぞ!!おーよちよち、パパでちゅよ!!」
本殿に着くや否や俺の愛するパパたちが出迎えてくれ、我が子のいる腹部にキスをしたり、頬擦りしたりで、てんやわんやとなる。
「あっ。お腹蹴ってる…。なぁお前。今からパパたちの栄養満点ミルク…下のおクチからたくさん飲ませてもらうから、驚かないでくれよ?」
(充も来年は小学生。この子と充と、パパたちみんなで暮らそう。パパたちヤキモチ妬きだから、赤ちゃんのお世話でケンカしたりして――そういえば俺って充と2人暮らしだったっけ?誰かを忘れているような…)
俺は充が時々口にする“お母さん”という人物の存在を思い出せずにいた。
俺が2人の子供の“ママ”となるのだから、充もその内忘れるだろうけど――。
Fin.
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