新米淫魔と怠惰なエクソシスト
新米淫魔のロアは、自信過剰でナルシスト。下界で初めて体を交えた男にハマった彼は、夜な夜な通いつめて精力を集めては、急激に魔力を上げていた。どうやらその男はエクソシストであるらしかったが、愚かなロアはどこ吹く風。しかしある夜「お仕置きをしような?」と男が言い放った瞬間、ロアの身にはとんでもないことが起きてしまい…
「俺の下界デビューを華々しく飾ってくれるのは、どこのイケメンかな~?」
鼻歌混じりに闇夜を飛んでいるのは、新米淫魔であるロア。人々がすっかり寝静まった街は暗く、狩りにはもってこいの場所だった。
「この辺りは穴場スポットだと思うんだよね。ノーマークっぽいし、みんなスルーしてるし。先輩らと違って、センスがいい俺は気づいちゃったけどさ」
ロアはまだ知らない。なぜ他の淫魔たちが、この街に寄り付かないのかを。彼がもっと素直で健気な魔物であったなら、周囲もアドバイスと救いの手を差し伸べてくれたであろうが、あいにくロアは高飛車で自信過剰な新人として煙たがられていた。
「俺が可愛いくて美形だから、意地悪されちゃうんだよね。まぁでも、強い男の精子を集めまくって最強になっちゃえば、余裕でしょ」
淫魔は優れた男──強靭な肉体や豊富な知識、ずば抜けた才能などの持ち主であるとか、あるいは単に若くて精力が旺盛な人間の精力を得ることで己の魔力を上げていく。魔力は淫魔本人の地位に直結するものであり、完全なる実力主義の世界だった。
「お? なんかイイ男、見つけちゃったかも?」
街外れの古びた家屋。ろくに手入れされていない庭に、切れかけた玄関灯。けれども車だけは月夜でもわかるほどに磨かれた、高級そうなヴィンテージカー。番犬もおらず、窓際のベッドで眠る男以外の気配は見当たらなかった。
「ん~! 顔よし、体よし! ちょっとオジサンかもだけど、清潔感あって男前だからセーフ! さっそくいただきま~す!」
すり抜けるようにして室内へと忍び込んだロアは、舌舐めずりをしながら男へと近づいた。背中の黒い小さな羽根と、腰の下から生えたしなやかな尻尾。おおよその外見こそ人間に近しい淫魔だったが、特徴的なそれら二つは隠せない。加えて、基本的には夜行性のため陽光は好まず、食事も人間とは異なっていた。
「予想以上に立派じゃん! テンションあがる~!」
下着ごと衣服をずり下げ、男の陰茎を無遠慮につまみ出すロア。大きく長く質量のあるそれに、興奮が鳴り止まない。濃いめの下生えは雄くさく、逞しい太腿からもロアを漲らせるエネルギーが伝わってくる。
「ンは…ンッぁ…あ、勃ってきたぁ…」
硬さを帯びてきた竿を口いっぱいに頬張りながら、ロアは目尻を下げて瞳をうるませる。既に後ろの蕾はしとどに濡れて準備万端、ロアの中心もぴんと上を向いて先走りを垂らしていた。
「やっぱり本物は違うなぁ…我慢できない」
布面積の極端に少ないパンティーをずらして、ぬるついた鋒(きっさき)を穴へと押し当てる。淫魔の世界でも学校のようなものはあったが、ロアは優等生からは程遠く、特に座学はおざなりだった。人間界のことも淫魔の歴史も、性技の理論や人体構造、それからエクソシストのことも。自分はセンスに秀でているからフィーリングでいける、実践で一旗あげてやるんだと聞く耳を持たなかった。
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