新米淫魔と怠惰なエクソシスト (Page 2)
「ンぉ…ぁ…は、入った…ふぅ…」
「…んん」
「まだ起きんなよ。いい夢見させてやるからな」
駆け引きなど何もない、早急すぎる交わり。これでは得られる精力も減ってしまうわけだが、今のロアにはそれを理解するだけの能力が足らなかった。息を詰めながらも必死に腰を上下して、己の奥をなかば無理やりに開いていく。
「あンッ…は、ぅ…ぁ、ぁ…デカいな、もう…ぁッ…はぁン…はやく、イけ…精子だせよ、人間」
狭い肉筒をひたすら擦りつけるようにして、律動を繰り返すこと十数分。待ちわびた射精を体内に受けた瞬間、ロアは初めてのエクスタシーに溺れて甲高く啼いていた。
「ンッあぁぁッッ…!! ぁ、あ…すご…ぁ、出て、る…は、ふぅン…あぁ、お腹、じんじんするぅ…ぁぅ…ンッ、ン、きもち、ぃぃ…」
あまりに強い快感に我を忘れて涎を滴らせるロアは、てんで気付いていなかった。組み敷いた男が下からじっとロアを睨(ね)めつけながら、微かに笑みを浮かべていたことに。
*****
「ぁ…ぁ、ンッ…いいッ…は、ぁ…」
初めての夜からすっかりハマってしまったロアは、夜な夜な彼のもとへと通いつめていた。行為のたびに魔力が漲(みなぎ)り、心も体も満たされていく快感は凄まじい。複数の男らを物色して実績を重ねていく他の淫魔とは対照的に、周囲の忠告も聞かずに一本集中で責め続けるロア。彼から得られる精力はなぜだか桁違いに多かったため、ロアの格は飛ぶ鳥を落とす勢いで右肩上がり。当然ながら、単純なロアはわかりやすく天狗になっていた。
「ッぅ、ン…あ…珍しく、起きた…」
「よく飽きもせず、毎晩やってくるな…」
「へぇ…気付いてたんだ。てかさお前、エクソシストらしいじゃん?」
何度目かの来訪の夜、気怠げに目を開いた男を見下ろして、ロアは余裕の笑みを浮かべていた。あいつはエクソシストだぞ、新米にはハイリスクすぎるからやめておけ。そんなことをお節介にも言ってきたのは、どこの淫魔だっただろうか。本来であれば重大すぎる情報を右から左へと聞き流し、ロアは都合よく現状を解釈していた。
「俺が強くなりすぎたからビビってんの? そうだよね、マジで急成長しちゃったからさぁ。もう俺みたいのは簡単に祓えないだろうし、人間って欲に弱いし無力だから、俺に首ったけになってる感じ? 気持ちいいの堪らないんでしょ? 言ってみなよ、俺とのえっち最高です、って!」
べらべらとお喋りが止まらないロアを尻目に、エクソシストの男──レオン・グライスナーは小さく溜息をついた。
「おい、そこの淫魔」
「俺の名前はロア!」
「ロア…ちょっと、お仕置きをしような?」
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