これからのふたりは (Page 3)

こういうの、とは。回らない頭で陽太は考えを巡らせた。こういうの、こういうの…ってぐるぐるしているとふいに唇に柔らかいものが当たる。ふにっと一度当たってすぐに離れて行くそれが悠二の唇だと気付いたのは、悠二の顔がそっと離れたあとだった。

「…お前ゲイだったっけ？」

「違うけど…お前だったら全然アリっぽい」

「ふーん」

「無理強いはしないけど、どう？」

「んー…？」

先程重なった唇に不思議と嫌悪感はない。

「部長に触られたときみたいな嫌な感じは、まぁないけど…」

「じゃあ決まりだな」

決まり？なにが？頭のなかでは大量のはてなが浮かんでいたが、再び唇が重なり陽太の疑問は霧のように跡形もなく消えていった。

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「ふ…あ、あっ、あぁっ…！」

3本の指がばらばらになかで動く度に陽太は腰が浮いてしまう。俺の尻はいったいどうなってるんだ！？と目を白黒させて快感を享受していた。こんなことしたことないのに、初めての行為でちゃんと気持ちよくなれてしまう自分の身体の秘めたるポテンシャルに、陽太自身が驚きを隠せなかった。

「もう、入れるぞ」

余裕なさげに悠二がベルトをがちゃがちゃと外して前を寛げる。立ち上がったそれを陽太へ押し当てると、ゆっくりと押し入ってくる熱に陽太はくらくらとした。こんなの知らない。身体をあばかれることがこんなに苦しくて、こんなに気持ちがいいだなんて。

「んんっ…ん、んく…」

陽太は今まで感じたことのないほどの圧迫感に襲われた。少し前まで指でぐずぐずに溶かされていたそこに、みちみちと大きな質量を押し込まれてしまっている。

「ぁ…っ…」

苦しくて、でも気持ちがよくて息が詰まった。けれどもそんな陽太を置き去りにしたままそれはぐぷぐぷとなかを侵食していき、やがて止まった動きにほっとして僅かに力を抜くと、見計らったかのようにズプンと再奥まで貫かれた。

「う、ぁっ…！」

「…痛くないか？」

陽太が快感に閉じた目蓋をうっすら開くと見えた、雄の表情。至近距離で見せられたそれに、思わず腹の奥がずくりと疼くのを感じ、なかに入ったものをきゅんと締め付けた。

「あ、あ…っ」

「大丈夫みたいだな、…動いていい？」

こくこくと小さく頷きながら力の入らない腕を悠二の背に回して、きゅっとしがみ付く。頭が全くまわらない。でも不思議と嫌な感じはしなかった。