僕の彼氏はワンコ系外国人

・作

恋愛経験の浅い涼(りょう)は、最近職場の先輩・ショーンと付き合い始めたばかり。アメリカ人の彼はとても人懐っこくてまるで大きなワンコのようで…!?ほのぼのおうちデートからえっちにもつれ込む手口はとても鮮やか!ワンコ系彼氏とのいちゃラブハッピーストーリー。

夏も終わりが近づき冷房なしでも過ごしやすいその日は、窓から心地よい風が入ってきていた。

「畳っていいね、何故だか寝転がりたくなる」

座布団の上であぐらをかいたショーンはにこにこと微笑みながら畳を撫でる。家主であり恋人である涼がコップに口を付けたまま「ご自由にどうぞ」というと、彼は畳の上に仰向けに転がった。

付き合ってまだ日が浅いふたりは、今日は涼の家でいわゆるおうちデートを楽しんでいた。涼の家に招かれたのは初めてのことでショーンはすっかり浮き足立っていた。

畳の上をずり這い、正座をしていた涼の膝の上に頭を納める。うーんと伸びをしながら鼻から息を吸い込むと、大好きな恋人の匂いで胸が満たされた。

「サイコー」

「畳が?」

「膝枕が」

パチンとウィンクしてから、もちろん畳もね~と言うショーンに涼はうぐっと声を詰まらせた。自らの膝でころころとする恋人は非常に顔がいい。もちろん中身も込みで好きになった訳だが如何せん顔が非常に好みなので、この顔でお願いされるとついなんでも聞いてあげたくなってしまう。

「涼くん、kiss me?」

ほら今だって。甘やかし過ぎるのはよくないよなぁと思いつつ、唇を尖らせる恋人に向けて涼は身体を屈めた。

「ん…」

軽く唇を重ねて離れようとした涼だったが、それは首に回ってきた腕によって遮られた。あむあむと唇を食むように遊ばれたかと思えば舌先で唇をつつかれ、それに応えるようにおずおずと唇を開く。

「ふ…んぅ…」

口内へ潜り込んできたそれは優しく歯列を撫で、自身のそれと絡めると自然と息が上がった。やがて腕の力が緩められたのでゆっくりと唇を離し身体を起こすと、ギラギラと飢えた猛獣のような視線で射貫かれた。

するりと手を取られ、視線を絡めたまま手の甲に口付けられる。頬が熱くて堪らない。

「す…するんですか?」

「うん、したい…ダメ…?」

…だめではない、だめな訳がない。ただこういった場面にまだ慣れないせいなのか、日本人故なのかyesかnoで返事をするのがなんだか気恥ずかしくて。

「…窓、閉めてください」

それは精一杯の了承の合図だった。

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