カンチガイ恋愛 (Page 4)
「仕事できるのは松川さんのおかげですよ」
「お前の仕事に俺は関係ねえだろ」
「仕事を教えたのは松川さんなんで」
それはそうかもしれない。
でも俺は仕事のやり方を教えただけだ。
契約を持ってくるのも、客に物を売るのもやるのは本人。
佐久間は社長も認めるほど優秀だ。
そうだよ。俺をこいつに売って、話し合いを後日にするくらいには。
「なあ…、佐久間」
「なんですか? 逃がしませんよ」
「あ…うん、それなんだけどさ…。さっき、社長に確認したんだよ」
ピクッ。
佐久間の眉が動き、するどい目つきになる。
「それで、さ…。お前を疑うわけじゃねえけど、不倫はやっぱしてないみたいで…」
「お互いにお互いを守るんですか。さすが愛し合ってる二人ですね」
「は? お互いに?」
なんとなくだけど、俺と佐久間の会話噛みあってないんじゃないか?
焼肉屋でも思ったけど、なんか…こう、ちょっとばかり。
「それで社長に言いました? 社長のために抱かれるって」
「あ、ああ…言ったけど…?」
まさか話聞いてた…?
どっちでもいいけど、とにかくこんなことやめさせたほうがいい。
「あのさ、佐久間。お前の好意はわかるが、こういったことは想いが通じ合ってないと意味がない」
「だから?」
「今日のところはその…、社長にも確認はしたからなかったことに…」
「しませんよ。あんたが言っても説得力ないし」
「えっ、俺を尊敬してくれてないの?」
「尊敬してますよ」
やっぱり話が合ってない気がする。
尊敬してるのに信用しない意味がわからない。
「あの、さく──んっ」
「もう黙って」
後頭部をおさえられ、佐久間の唇が自分のソレに重なる。
ドサッ…とゆっくりベッドに身体を倒されるのと同時にキスが深くなった。
「ふぅ…んっ…ぁ」
「舌、だして」
「…ふぇあ…ふっん…!」
良質なベッドは男二人の身体を受け止め静かに沈む。
男とキスをするのは初めてだけど嫌悪感はない。
むしろ、今までで一番気持ちいかも。
「ぁ、ん…んんッ!」
舌を引っ張られ、ジュルリと音がたつ。
口の中にたまる唾液を、ゴクリと飲み込めば引っ張られていた舌が解放された。
「んく…はぁはぁ、んっ」
「さすが経験者ですね。すんなり受け入れんじゃん」
「ふぇ…? あぁ、いや…男とは初めて、だけど…」
「嘘つき」
「嘘じゃ…! ちょっと待て!」
「待ちません」
バスローブのひもをほどき、あらわになる俺のソレを佐久間はくわえた。
それはためらいもなく。
「やっ…だっ…さくま、佐久間っ!」
こんなことされたことないんだけど…!
男同士ってこれが普通なわけ?
「あっ、んっ! やめ、さく…ぅま…」
ちゅぅ…っと佐久間の唇が先端を吸う。
先走りするヨダレに恥ずかしくて見てられなかった。
佐久間のエロイ顔も、舐められて反応する俺の肉棒も見ていられない。
「あぅ…さく、ま…さくぅんッ!」
ビクビク…と身体が震える。
最近ヌイてなかったから早い。恥ずかしいくらい早い。
なのに生温かい感触は消えず、恐る恐る股間に目を向ける。
佐久間は俺をまだくわえながらゴクッとのどを鳴らした。
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