あなたが俺の初恋泥棒

・作

男子校出身の冬馬は恋愛や彼女に強い憧れを持ち、意気揚々と大学デビューして初恋をしてアタックしまくるも、振られてしまった。家に帰るといつも自宅に勝手に侵入してくる従兄弟の晴臣がいて、失恋のショックからつい八つ当たりをしたら「俺が慰めてやろうか」と誘われてしまい——。

「初恋だったのに…」

憎らしいほど晴れた春の夜に、冬馬の深々としたため息が落ちた。

中高ともに男子校出身の冬馬はそれはもう、恋愛や彼女という存在に憧れを抱いていた。

髪も染め、おしゃれを学び、意気揚々と上京し大学デビューを果たした冬馬は入学から二週間経たずで好みの女子を見つけた。

初恋を叶えるべく、積極的に話しかけたし、脈がありそうな気配もあった。

そして三年生に進級した今日、ついに告白をしたのだが――撃沈。

長きにわたる恋路は、タイプじゃないの、という取りつく島のない言葉によって断たれてしまった。

冬馬は友人たちにファミレスで慰労会を開いてもらい、さんざんっぱらに嘆いて泣いて励ましてもらった。

終会時には「さっさと切り替えて新しい恋を見つけるぞ!」と宣言したものの、初恋にして初失恋、もやもやとしたものがまだ冬馬の中にはあった。

何度もため息を吐き、鼻を啜り、重たい足を引きずりながら、いつもより長く感じた帰路の末、自宅アパートに着く。

ポケットから鍵を出そうとしたら、既に解錠されていることに気づいた。

(こんな日に限って…)

もう何度目か分からないため息を吐きながら、ドアを開け、玄関で靴を脱ぎ捨てる。

居間に向かうと、案の定、晴臣が我が家の如くテレビを流してくつろぎながら缶チューハイをあおっていた。

「おかえり。遅かったじゃん」

晴臣は冬馬の二歳上の従兄弟でありお隣さんである。

大学進学の際、冬馬の一人暮らしを心配した母が、晴臣の親と相談して勝手にこの部屋を手配したのだ。

晴臣は昔からよく冬馬に構ってきて、お隣さんになってからは冬馬の親から預かっている合鍵を使ってよく勝手に侵入してくる。

それに毎度呆れながらも、いつもは口で注意するだけで受け入れていた。

冬馬も晴臣のことを幼馴染のようにも気のいい兄のようにも思い慕っていたから。

けれど今日は彼に会いたくなかった。

「また勝手に人の家にあがりやがって」

「そうぷんぷんしなさんなって。ほら、冬馬も飲む?」

「いらない」

「そぉ? まぁ、冬馬くんはチューハイでも酔っちゃいまちゅもんね」

からからとからかう酔っ払いに、冬馬はむっとする。

「帰れよ」

「おや、今日はやけに冷たいね。何かあった?」

「…別に」

「遠慮しないで、お兄さんに話してごらんって」

優しい声音で言って柔らかく微笑む晴臣に、冬馬の中のもやもやが一気に膨らんだ。

「どうせあんたには分からないし」

「なんでそんなことを言うんだよ」

「…振られたんだよ」

「え?」

「あんたのせいで好きになった子に振られたんだよ!」

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