タチってなんですか?教えてください! (Page 6)
「…恋人は?」
「えっい、いないですよ!」
「俺と付き合うかい?」
「ええっいいんですか?!付き合います!付き合ってください!」
嫌味のいの字もなく素直すぎるくらい素直な彼は、瞳を輝かせてわかりやすく喜ぶ。
こんなに純粋な子はそうそういないだろうし、他の奴に取られるのは惜しい。
確かにテクニックはある、だけど見た目は好みだしタチもネコも知らないのなら今度は俺が教えてやりたい。
ムードで押せるタイプではなさそうだから次の時は先手必勝だろう。
「それと、俺はアキじゃなくて…秋一。アキは仮名な」
「はいっそれじゃあ、秋一さん…もう一枚あるんでいいですか?」
「…俺が抱くのは?」
「えっ…えっ…は、はい!」
「…ふはっ…いいよ、おいで和彦」
本当に言葉の意味を知らなかった和彦は、俺の言葉に視線を泳がせて戸惑った後に覚悟を決めてくれた。
それでも握った拳は少し震えていて、多分どっちがどっちでも俺が相手ならいいんだろうなと思う。これは確かな優越感だ。
だから悩んだことをさせないように、シャツを脱いで両手を広げると嬉しそうな、でも少し申し訳なさそうな顔で俺の胸に飛び込んでくる。
ネコがよかったんじゃなくてこいつだから気持がよかったんだろう。
タチ専とは言えなくなったし他に試す気はないからわからないが、彼が喜んでくれるからそれでいいと思った。
年上の余裕も見せたいし、次の時は…機会があれば絶対に俺も抱いてやる。
Fin.
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