年の差なんてバイバイ (Page 3)
目尻、頬、鼻頭、ゆっくり、少しずつ位置をずらしてキスをすると春兄の両手が俺の頬を包んで引き寄せられる。
ねだられるまま唇を重ね、差し出された舌を絡め取ってどちらともなく背に腕を回して抱き合う。
単純な俺は春兄が触れてくれるだけで幸せになってしまうから、今ばかりは雰囲気に流されないよう額を合わせてキスを止めた。
「…春兄の人生に責任を取るって決めたんだ。不満があるなら直す、やっぱり女がいいって言うなら…金は俺が出すからプロにお願いしてください」
「今更女なんか抱けるかよ。お前、本気で俺のことアイシテル?」
思いっきり頭突きをされて驚くと、吐息が触れる至近距離で春兄がじっと俺を見つめる。
照れ屋な春兄がいうアイシテルを久しぶりに聞いた。愛おしいと同時に不安にさせていたことに気付いたけど、肝心の理由がわからない。
「愛してるよ。誰より愛してる、春兄しか…直春しか愛せない」
「じゃあなんで、…お前、…」
「春兄?」
珍しく歯切れ悪く言葉を探すように視線を左右に揺らして、俺と目が合うと途端に頬を赤く染める。
完全に言葉に詰まった春兄の手が俺の手を取って下半身に誘導し、萎えた陰茎に添え当てられる。
「抱きたいならそれでも全然いいよ!俺の方が若いんだし負担があるなら俺が」
「うっせえクソガキ!今更抱けるかっつーの!」
「なんで?!」
食い気味に怒鳴った春兄の拳骨が俺の頭に容赦なく落とされる。
それ以外に思い当たることがない。元々春兄は俺のしつこさに折れて付き合ってくれたところがあるし、初めて抱いた日だってネコ側は負担がデカいからって引き受けてくれた。
それから当たり前のように俺が抱いていたから不満があるとしたらそれ以外全くわからない。
春兄は相変わらずはっきりしない態度で首の裏を掻きながら言葉を探しているみたいだったが、鈍感な俺は言ってもらえないと伝わらない。
この状況で思いつくような、恥ずかしい告白を考えてみたけどどれもピンとこなかった。
「…春兄は、俺に抱かれることに不満はないの?」
俺の手の中でピクッと反応する陰茎と、眉間に皺を刻んで開きそうで開かない唇。
春兄の口から正解を聞くより体に聞いた方が正直な反応をくれるなじゃないかと思った俺は、バカみたいに掌に掬った陰茎に向かって問いかける。
「なんだろ、フェラされたいとか。もっとたくさんしたい?…あ、ムードが欲しい?」
「おい」
「ムードたっぷりに、ゆっくり抱かれたい…とか?」
俺の言葉に反応する陰茎が妙に可愛く思えてあれこれ聞いていたら、その質問には如実に反応を示す。
へえ、と思って春兄の顔を覗くと真っ赤な顔をしてそっぽを向いている。
最近のコメント