幼馴染アイドルの恋愛事情~不愛想彼氏の愛情表現は言葉責めくすぐりプレイ!? (Page 2)
「きゃー!沙也くーんっ!!私も胸筋触りたいーっ!!」
「困ったお姫様だな。好きなだけ触っていいぜ――ふっ…んん…」
(やべっ!声でちまったぁ…!サービスしてやってるからって、乳首カリカリ掻くのはズリィだろぉっ!!こんくらいでビン勃ちする乳首の持ち主なんてバレた日にゃ――変態アイドルだって噂になっちまう…)
警備員も真っ青になるまで俺の身体を複数のファンが厭(いや)らしく撫で上げていく。これこそがCheleriraの演出――俺の見せ場なのだ。
地下の世界にいた俺たち3人に声を掛け、アイドルとして売り出そうとしてくれた事務所には感謝しかない。非日常的な空間で輝ける芸能の世界。アングラにいた俺は、自身の音楽で観客が熱狂している姿を拝むことのできる快感が何よりも心地よく、手放したくなかった。
だから多少の危険が伴おうとも…確固たる地位のためなら身体でもなんでも捧げてやる気でおり――横でギターを奏でる幼稚園からの幼馴染で、恋人でもある勇人の冷たい視線が向けられても…俺は性的なファンサービスを止めるつもりはないのだ。
(本当は“勇人だけ”に触られてぇのにな…)
俺を愛し、身体まで開発してくれたのは他の誰でもなく、勇人である。すべてにおいて俺の初めてをほしがる勇人に童貞もアナル処女もくれてやったというのに――彼はわかっていない。想い人でもないファン相手に俺が半裸を曝け出しているのは、Cheleriraの今後のためであることを。過激なサービスを行わなければ、すぐに落ちぶれてしまう。ドラム担当の羅那は世渡り上手の代表格ともいえる存在で、俺同様のサービス精神に富んでいるから心配はしていないのだが…気掛かりなのは、やはり勇人であった。
今回もアイドルとしての知名度を上げるには欠かせない舞台であるというのに、口を真一文字に結び、挨拶はおろか顔さえ上げず…ギターの弦だけを見つめている。クールといえば聞こえはいいのだが、彼は人気商売には不向きな人間であった。
それでも日の光を浴びたことのないような白い肌と、日本人離れした端正な顔立ち。鍛え上げられた筋肉質な肉体に、彼を取り巻くすべての人間が虜となる。Cheleriraのファンともなれば尚更で、勇人が他人に興味を抱かない男だということを心得ている紳士淑女がめげずに彼の名を呼ぶ声が俺の耳にも届いていた。
(みんなが羨ましいよ。アイツの名前を気軽に呼べてさ…勇人、まだ俺のこと怒ってんのかな…?)
週刊誌報道の件に話を戻そう。俺とNACOROが結婚前提の真剣交際をしているというスクープは、記者が都合のいいように解釈しただけのもの。なぜなら俺の恋愛感情は物心がついた頃から勇人ただ1人にしか向けられていないから――例え大手アイドルグループのセンターを務め、百人中百人が可愛いと絶賛するNACORO相手でも、それは不変であった。
とはいえ記者が勘違いを起こしたであろう俺の行動には、覚えがある。数週間前になるだろうか。俺がスタジオでのレコーディングを終えた帰り、深夜の路上でNACOROが泥酔している場面に出くわした。酔っぱらった彼女は着用していた衣服を脱ぎ、下着姿となると感情の赴くまま号泣し始めたではないか。そこは人通りの多い歓楽街。野次馬根性で集まった者たちがスマホを掲げ、下着姿の彼女を面白おかしく撮影し出す。グループに属するアイドルの不祥事――いや、赤の他人の前であられもない姿を晒す彼女に俺は自身を重ねていたのかもしれない。とにかく放っておけず、日が昇りきるまで仕方なく共に過ごしたのである。
(勇人の奴…毎晩SEXに誘うのは俺からだってのに、どうしたら浮気してるって考えになるかなぁ…。尻イき射精のよさ教え込まれてから、他の誰にも反応しねぇのに…)
尻だけでなく、ペニスに乳首、腋や臍(へそ)――身体中を彼に開発され、自身以外に反応しないよう暗示を掛けられた。彼は俺に対しても不愛想かつ無口で、愛情を言葉で伝えてくれないのだが、情事となるとひたすら優しくて甘い。俺の身体は勇人の手に溺れ、欲望のまま蕩(とろ)けていった。
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