幼馴染アイドルの恋愛事情~不愛想彼氏の愛情表現は言葉責めくすぐりプレイ!? (Page 7)
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パシャ パシャ パシャ
カメラが俺たちCheleriraの3人と、真横に座るNACOROに向けられ、フラッシュが焚かれる。これはファンクラブ向けの記者会見。会場を仕切るのは、羅那である。
「本日は皆様お忙しい中、お時間を割いていただきましてありがとうございます。このたびは、ボーカル有野沙也の配慮不足によりNACORO様、および関係者の皆様に多大なご迷惑をお掛けしまして、申し訳ございませんでした。2人の交際報道は事実とは異なり、よき友人であります」
この言葉に、NACOROは大きく頷いている。
「皆様にお集まりいただいたのは、今回のような報道で私たちCheleriraの3人と、他の関係者との間で不本意な憶測を呼ばないためであります。その件に関しまして有野沙也と、ギターの乃木勇人からご報告がございまして…それでは2人。準備はよろしいですか?」
柔らかな羅那の瞳が、俺と横に並ぶ勇人を見据える。
ようやくこのときが来た…と思いつつも会見が始まった瞬間からカメラの死角となる机の下で指を絡め合っていた手が、緊張のあまりに震えだす。そんな俺に対し、勇人が『もう一生離さねぇからな、沙也』と唱え、力強く握りしめてくれた。
有名アイドルと一晩を共にしたボーカルの脱退か、グループ自体の解散かとざわつく報道陣を前に、俺と勇人の2人はマイク片手に身を乗り出す。
「「実は俺たち――」」
固く結ばれた手の平を頭上に掲げながら。
Fin.
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