我慢の音 (Page 3)
髪を撫でていた指が項をなぞってシャツに引っ掛かり、増えた指が俺の首筋を覆い撫でる。
こんな風に触れられることも滅多にない。
ベッドのスプリングが軋んで俺の身体が引っ張られ、2人分の体重と共にシーツに沈む。
腰から回ってきた腕が俺を抱き締めて、項に生温かい吐息が触れる。
寝たふりをしたいのに心臓がバクバクと激しく脈打ってうるさい。
「やばい、たまんねぇ…」
シャツの上から腹部をなぞって這い上がる指が、胸筋を撫でて僅かに反応していた突起に触れる。
爪先でカリカリと引っ掻かれ、刺激された乳首がシャツを張り上げる。
いつまで寝たふりをしていればいいのかわからなくて、すっかり起きるタイミングを逃した。
シャツ越しに弄られるのはもどかしい、直接触ってほしいし勃ちっぱなしのペニスがジンと痛みを訴え始めている。
乳頭を摘まみ潰すように少し強く捏ねられると腰が揺れる。
「葵、本当に寝てる?」
捏ねられた乳首を優しくなぞる爪先にゾクゾクと背筋が震えあがり、返事をしかけた唇を噛み締める。
寝ていた方がいいのか、起きた方がいいのか、こんなことは初めてで決めあぐねている。
くにくにと乳首を弄るしつこい指のせいで先走りが下着を濡らし、腰を揺らす度ぬち、と音がした。
颯太の手が下着に伸ばされ、勃起したペニスに指が絡む。
「んっそう、た…」
「うん、我慢してるのも可愛いけどやっぱ声は聞きたいよな」
「お前わかってて…ッ?!は、いやいやなんでお前っ」
「んー…我慢してたけど葵もエッチなんだなってわかっちゃったからさ、もう我慢する意味なくない?」
「あ、あっ待ってそんな、急にっ…!…あっ」
パジャマも下着もずらされてほぼケツを丸出しにしていたら、何の前触れなく押し当てれたペニスに驚かされた。
少なからず興奮してくれたらいいなとは思っていた、下心はもちろんある。
けどいきなり突っ込まれるとは思っていなかったから思わず逃げ腰になる俺の腰を押さえつけて、入り込んでくるペニス。
慣らそうなんて気遣いはなく、一気に奥まで貫かれて俺は射精せずにイった。
腹の奥がジンジンと痺れて熱を持ち、体中が熱くてじっとしていられなくなる。
颯太は挿れたまま動いていないし、腰を押さえられているから動くこともできない。
ただ腹の奥から広がる熱に耐えるしかなくて、足先をばたつかせながら俺は必死に訴えかけるしかなかった。
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