土曜日の秘め事 (Page 4)
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「ずっと兄貴のことが好きだった」
約2ヶ月前。
仕事にも慣れてきたので、そろそろ実家を出ていくよと両親に伝えて数日経ったある晩、めずらしく部屋に来た直矢に俺はキスをされ、告白された。
俺は、不覚にも泣いてしまった。ずっと直矢に嫌われていると思っていたからだ。
4歳年下の直矢は小さい頃から「マサ兄」と呼んで俺を慕ってくれていた。
だがいつからかそっけない態度をとるようになり、次第に俺と目が合うと睨みつけては無言で避け、話しかけても最低限の返事しかしてくれなくなった。
昔からよかれと思って世話を焼きたがる節は自覚していたので、嫌われるのは自業自得だよなと自分に言い聞かせては募る寂しさを紛らわせていた。
だけど、直矢の変化が俺への好意の裏返しだったとわかり、俺は戸惑うどころか安堵と嬉しさで、今思い出しても顔から火が出るくらい弟の前で泣きじゃくった。
そんな俺を直矢はそっと抱きしめた。
包み込むような優しさと、もう2度と離さないと言わんばかりの腕の強さに、俺はそのとき初めて、直矢への特別な想いを自覚した。
直矢に誘われるまま兄弟の一線を越えることになんの抵抗もなかったし、直矢に触れられると、言葉にできない安心感と悦びで体も心も満たされた。
そうして俺達はいつしか、両親が揃って家を留守にする土曜日のたった数時間の間、まるで普段満足に触れ合えないもどかしさをぶつけるように互いを求めるようになった。
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「んん…ッ…あ、あぁ…っ」
跪いた直矢にフェラをされながら後孔をいじくられる俺の後ろでは、ベッドシーツを突っ込んだ乾燥機付き洗濯機が稼働していた。もうすぐ乾燥が終わるはずだ。
「…ナオ…もうそろそろ、母さん達帰ってくるから…っ」
「まだ大丈夫だって」
「そん…あぁ…ッ」
敏感な部分を指で抉られ、迫る射精感に腰が跳ねた。
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