40歳、今更ですが (Page 2)
元々金子との関係は鼻水垂らしたガキの頃から続く腐れ縁でもある。今更見た目やなんやを気にするような仲じゃないが、セックスとなればそこは別だろう。
若い頃はスポーツをやっていたせいか、そこそこモテてはいた。顔は微妙でも体には自信があったし、自分でいうのもなんだが積極性も愛嬌もあったと思う。
そんな俺とは対照的に、金子はがり勉野郎でひょろっこかったが顔だけはよかった。まあ頭もいいんだが。
ノリもいい方だが自分から振りにはいかない分、俺たちのグループでは大人しい方の部類だった。
大学を卒業してから社会人サークルに入った金子は体を鍛えることに目覚め、数年前まではかなり積極的に活動していた。
隣に並ぶと俺の方が老けて見える。金子は気にしないようだが、俺はそれが少しだけ気になって密かにビールの本数を減らすようになった。
「バスローブくらい着てこいよ」
「どうせ脱ぐだろ」
「ほんっとにお前は色気も何もないな」
「わっはっはっ40じじいに色気なんかあるかよ!そんなもん気にするのはやーちんくらいだろ」
ウエストゴムが少し緩くなったトランクス姿で現れた金子は、言葉通り部屋の明かりを消しもせず俺のバスローブに手をかける。
色気がないのはまだしも可愛げがあるからたまったもんじゃない。
バスローブを脱がしながら頬を擦りつけてくる仕草は昔から変わらないが、朝剃った髭が生え始めていて肌に擦れるとじょりじょりする。
にやけた40じじいの髭攻撃が可愛く思えるんだから俺も相当だろう、だがそんな金子を前にして年甲斐もなく興奮を覚えた。
引き締まっていたウエストはいつからかたるみ始め、灯りの下で見る肌には薄っすらとシミが浮かぶ。
下着を脱げばドピンクだった息子は長年の行為で赤黒く変色し、陰毛には白髪が混じる。
「灯り消せって」
「今更だろ、何気にしてんだよ」
「っ…今更っつったって嫌だろうが、俺は白髪が混じったじじいだぞ」
「俺もだけど萎えんのか?」
何を言っても引き下がらず、白髪交じりの陰茎を握って愛撫する金子に問われて俺は口をつぐんだ。
白髪があろうとシミがあろうと、金子は金子だ。それこそ50になっても60になっても、勃ちさえすりゃやれる。
だからこそという想いもあった。俺は金子を好きだしどんな金子も愛せる自信がある、だが金子がどう思っているかはわからない。
今更嫁探しをするとは思えないし、このままだろうとは思うがどうせ関係が続くなら少しでも見た目がいい方がいいだろうと思う。
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