ナーバス・ジーニアス (Page 3)
こいつはいつもそうだ。
才能があるから1人でも場を湧かせることができるのに、客にウケるのも業界人に評価されるのも何もかも俺と一緒じゃないと意味がないと言って聞かない。
けど、天才の隣に居続けるのは、正直キツいものがある。
未だに一部のやつらやアンチは「灰谷なんていてもいなくても一緒だ」と揶揄してくるし、ことあるごとに自分の無力さを思い知らされる。
それでもこいつは俺を必要としてくれていて、俺じゃないとだめだと言ってくれる。
だからこそ、余計、惨めに思うときがある。なんで俺なんだよ、と。
些細なことでナーバスになっては俺に泣きつくけどな、クララ。俺はお前のせいで365日24時間いつもナーバスだっつうの。
*****
養成所時代、たまたま飲み屋でバッタリ会って、初めてサシで飲んだ。
酔ってベロベロになった倉田は突然泣き出すと、溜めに溜めてたありとあらゆる弱音をぶちまけて、俺の前で子供のように泣き続けた。
倉田の奇行に内心俺は引いた。
だけど、その頃すでに天才ともてはやされていたイケメンの意外な素顔に俺はなんだか親近感を覚えて、慰めて褒めちぎり家まで送り、帰らないでと縋りつかれたので結局朝まで一緒にいた。
「俺とコンビを組んでください」と養成所のレッスン終わり、みんながいる前で堂々と告白されたのはその翌日のこと。
それからあっという間に7年経った。
…マジで、なんでこいつ、俺なんかとコンビ組んでるんだろうな。俺の何がいいんだろう。
「ハイジ」
不意に耳元で名前を呼ばれた。
驚いて振り返ると、倉田は形の整った目を熱っぽく潤ませてキスしてきた。
息が、絡みつく舌が熱い。
口腔をまさぐったまま倉田が体を前後に動かすと、いきり立ったあいつのモノが俺の尻の割れ目を上下に移動した。
「っふ…ん、ぁ…熱…っ」
どくどくと脈打つ屹立の熱さに、指を抜かれた内壁が早く埋めてくれとねだるように勝手にひくつく。
「挿れるよ、ハイジ」
「いちいち言わな…あっ、あぁ…ッ」
尻たぶを左右に割られ、入口を捉えた硬い先端がずぐぐっと内部に押し入ってくる。
散々指でいじくられ敏感になった粘膜を硬くて熱い肉棒が擦り上げながら奥を抉られ、腰から背中にかけて痺れが走る。
「…はァ…っ、あっ、あああ…ッ」
体を埋め尽くす圧倒的な質量に全身が昂ぶり、シーツに爪を立て、喉から喘ぎをほとばしらせて倉田の雄を飲み込んだ。
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