ナーバス・ジーニアス (Page 4)

「…きっつ。ハイジのナカ、すっごい絡みついてくる…」

掠れた声で呟くと倉田は俺の尻たぶを掴んで寝バックのまますぐに腰を打ちつけてきた。

「アァッ…！ くら…ああッ、まだっ、挿れたばっかりなのにっ、んなすぐ突かれたらっ、ヤバいってっ！」

「ごめんムリ。気持ちよすぎて動かないとかムリ」

余裕のない声が落とされ、性急な動きで腰を打ちつけられる。ローションでぐぷぐぷと粘り気のある水音にパンッパンッと高い破裂音が交ざり始める。

1番弱いところを突かれるたびに強烈な電流が走り、頭がぼうっとしてくる。

隣人に聞こえないようにと声を我慢すればするほど五感が敏感になってしまう。

腹の奥を抉られるたびに甘イキを繰り返していた陰茎は、先端がとろとろに濡れ、シーツには小さいシミがいくつもできていた。

「あっあっ、くらっ、あぁ…ッ、あーだめ、だめっ、ああんんっ」

視界に映るシーツの海が律動にがくがくと揺れる。

さっきまでメソメソ泣いていたのが、まるで嘘のように激しく貪られ、犯される。

おかしくなりそうなのにやめないでくれと頭の片隅で誰かが叫ぶ。

「あーっ、アァァっ、あんんッ…くら…クララぁ…っ」

シーツにしがみつき、誰にも見せられないだらしない顔で喘いでいると突然、名前を呼ばれうなじに唇を落とされた。

「ハイジはさ、俺が1人でネタ作ってると思ってるでしょ」

「…ああ、んんっ、…実際、そうだろ」

「違うよ。…俺が書いたネタは、俺達の愛の結晶だよ」

「…に、バカなこと言って…」

「だって相方がハイジじゃなきゃ、ネタなんてなんにも思い浮かばないもん」

両手で俺をきつく抱きしめてくる。

「俺がネタ書きたいのもボケたいのも、一緒に漫才したいのもハイジだけ」

熱っぽいのにどこか冷静な声で囁かれ、恥ずかしいほど心臓が高鳴る。

ハイジは？ と聞かれ、言葉に詰まる。

「…俺だって、お前としか漫才やりたくねえし、お前にしかツッコみたくねえよ」

「今突っ込んでるのは俺だけどね」

「うるせえ…あああっ…！ あ、くら…倉田っ…！」

「――好き、好き。…好きだよ、真二」

「ああッ、あっあっ、あーだめっ、おぐっ、おぐあだって…んうううッ…！」

ピストンがさっきよりも激しくなる。