ナーバス・ジーニアス (Page 5)
肉を掻き分けるように何度も穿ち、俺のうなじに噛みつき、首筋を舐め、耳たぶを吸い、両方の乳首を摘んでは抓り、転がしてくる。
あーだめだ。気持ちいい。気持ちいい。理性がどろどろに溶けてく。
「あーいいっ、ぎもちいっ、あぁっ、倉田っ、そっち、向きたいっ」
「ん、いいよ。ハイジ、シャイだからバックにしろって言うくせに、意識飛び始めると対面になりたがるよね、あは、可愛い」
「うるせっ…あっああっ、はァ…っ、あっ、これ、これっ、これぇ…っ、すげえイイ…っ」
向かい合わせになり、真下から突き上げられる形で繋がる。
汗で滑る倉田の首にしがみつき、あいつの腰の動きに合わせて体を上下に揺すると結合部からぐちゃぐちゃといやらしい音が響いた。
気持ちよさでおかしくなりそうで、思わず助けを求めるように倉田を見上げるとすぐに唇が重なった。
分厚い舌で搦め捕られるとそれだけで倉田の雄を小刻みに締めつけてしまう。
汗を滴らせた男前の顔が気持ちよさそうに歪み、俺の腰を両手で捕らえると腰を突き上げて強く穿ってきた。
「ああ…ッ! 奥、おぐっ、んな激しく突くなァ…ッ!」
「すごい締めつけてくる…もうイきそうだね」
「…ッア、はあぁっ、ぃく、あああ…いく、イッく…!」
「うん、イッて、ハイジ。俺も早くハイジに締めつけられてイきたい」
繋がったまま押し倒される。倉田の手が限界まで張り詰めた俺の陰茎を扱き出し、俺は獣のような声を上げてさらに倉田を締め上げた。
それに応えるように倉田はハイジ、ハイジ、と俺の名を呼びながら強く激しく俺の最奥を突き続ける。
「ハアァッ…クララっ、イくっ…これイクっ…! アアアっ…! 倉田っ、くらっ…あああ…ッ!」
根本から陰茎を扱かれたまま前立腺を突かれ、俺は倉田の肩に爪を立てて絶頂を迎えた。勢いよく白濁が自分の腹に飛び散る。
内壁がぎゅううっと狭まり倉田のモノを締め上げた瞬間、耳元で短く呻き声がし、粘膜に熱いものが打ちつけられた。
キスしようと顔を近づけてきた倉田の頬をふと見ると、うっすら涙の跡が残っていた。
俺は舌を伸ばしてぺろりと舐めた。ちょっとだけしょっぱかった。
天才の素顔を知ってるのも、この味を知ってるのも、俺だけなんだよな。
そう思いながら赤らんだ顔を見つめていると倉田は俺を見つめたまま、ふんわりと王子様スマイルを浮かべた。
「大好きだよ、ハイジ。死んでも解散しないからね」
毎度毎度繰り返される、まるで呪いのような愛の言葉に俺は漫才の締めの挨拶よろしく「もういいよ」と心の中で返してから、倉田の頭を引き寄せて口を塞いだ。
*****
シャワーの音で目が覚めると、目の前のローテーブルの上に倉田の愛用PCが画面が開いたまま置いてあった。
画面に表示されていたのは、できたてほやほやの新ネタ。
クララが書き上げたそのネタで1年後、最も名誉ある漫才の大会で俺達が優勝するなんて、このときの俺は知るよしもなかった。
Fin.
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