依存に泳ぐ (Page 4)
目を覚ますことで俺は気を失っていたんだと知った。
重い身体を何とか起こして座るとぬるっとする尻に違和感を覚え、事後に薬を塗ってくれたことに気づいた。
派手に濡らしたシーツは取り換えられたらしく、さっきまでとは違う色になっている。
それからなんだ、腰が痛い。相当喘いでいたのか喉も痛い気がする。
漏らしたにしては全然臭わないし、普通にやった後みたいな感じだ。
達彦は俺の世話をした後にシャワーを浴びていたのか、濡れた髪をタオルで拭きながら寝室に戻ってきた。
「おはよ」
「おはよじゃなくて。あー、ごめん。汚かっただろ」
「何が?」
「なにって、いい歳してベッドの上で…その」
「潮吹きに歳関係ある?」
「しお…?」
潮吹きって女だけじゃないのか。俺が言いたいことを察したのか、達彦は俺の手にスマホを乗せて隣に腰を下ろした。
下着姿のまま俺の方に顎を乗せて寛いでいる達彦の太腿を軽く叩いてあやしつつ、男の潮吹きについて調べる。
色々な意見はあるが、まあ、何というか。どこまでわかっててやったのかと達彦の顔を覗き見れば、眉を下げて少し不安そうな顔をしていた。
意味がわからないくらい気持ちよかったし、達彦専用ってのがああいうことなら俺は別に構わない。
俺にはそっちの才能もあったってことで叱らないでおこう。
「そんな顔するなよ、ちゃんと気持ちよかった」
「うん。もっと躾ければ触らなくても潮吹けるようになるらしいから、頑張ろうか」
「ちょっと待て、それは聞いてない!っていうか躾ってなんだよ、恋人だぞ俺は!」
「でも気持ちよかったんだろ?もっと気持ちいいことして俺がいないと夜を越せないくらい依存させたいんだ、愛してるから俺に堕ちて」
優しい笑顔を浮かべたまま、笑顔と同じくらい優しい指先が俺の顎の輪郭を撫でる。
エムっけがあるわけじゃないし、躾って言葉が嫌だ。不満はあるけどそれ以上に達彦のこの笑顔が見られるのなら、達彦が安心するのなら。
どこまででもお前に流されて溺れてやってもいい。
Fin.
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