あなたの薬指が許せない (Page 2)
決心を決めて裕我に電話をかける。
「裕我、俺話しがしたい」
「いいよ、次の土曜日でも大丈夫?」
「うん、いつものとこで待ってる」
そうやっていつまでもずるずると。
*****
「樹…なに考えてるの?」
「ん?いや…ッちょ!」
「こっちに集中して」
乳首をかすめる爪に思わず声を上げる。
肋の浮き出て女らしさの欠片もない真っ平らな胸にキスを降らせてくる裕我の頬に手を当てる。
「そんな泣きそうな顔しないで…」
愛してるから。
だなんて。深すぎるキスでよだれがあごを伝う。
「もうこんなにしてんの?」
下に手が伸びて自身を触る。意地悪く。
決して1番感じるところだけは避けて指をはわす裕我。
「うっ、はぁ…はぁ…早く」
「早く?」
「欲しい…」
溢れ出た涙を裕我は綺麗な指ですくいあげてしずくにキスをした。
ローションをてのひらで温めたあと後ろに塗りつける。
縁を中指でなぞり、焦らされる。
「腰動いてる。そんなに欲しい?」
「優しくしなくていいから…っ…早く…」
そう言ってもいう事を聞いてくれない裕我は指でしっかり慣らして、ゴムの袋を開ける。
「いらない!…早く…ゆう…が…」
「だぁーめ」
装着し終わってかたくなっている裕我が入ってくる。
また涙が零れた。
「っあ、あっ、あッ!ん…」
「感じてる顔ほんと可愛い…」
ゆるゆると手前で動いてると思ったら少し深くなって前立腺をかすめる。
「やだぁ…アッ、ちゃんと…動いて…んぁっ!」
奥まで入ってきて前立腺をかすめながら出ていく。
それを繰り返されて頭がおかしくなりそうになる。
必死に首に抱きつく。
声を出したくなくて首元に唇を寄せた。
「やば…樹、俺イきそう…」
「んんんッ、アッ、んぁ…やっ、下触らないで!」
しごかれてイきそうになる。
「イクっ…」
イった瞬間裕我の首元にキスマークを付けてしまった。
いつまでこの過ち続けるんだろ…。
右側を向けばベッドに置いてある手。
俺の瞳に映るのは嘘つきな指の嘘。
俺からこの関係を切るなんて、到底想像できない。
Fin.
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