1億回でもキスしていいよ (Page 2)
「急に動いたら、ハルくんが辛いかな?…もう少し馴染むまで待とっか」
ユキトが優しげに目を細める。すらりとした指が俺の前髪を梳いた。じんわりと汗ばんでいるおでこに、ユキトの冷たい指先が心地いい。
「…もう、平気だ。動いてくれて、大丈…夫」
これ以上、我慢できないし。と、小さな声で付け加える。わずかに落とした目線の先には、はち切れんばかりに膨らんだ俺自身のペニスがあった。
挿入の痛みに萎えるどころか、早く次の刺激が欲しいとうずうずしているのが、丸わかりだ。
クスッとユキトが笑い、俺の頬に唇を寄せた。
「わかったよ、ハルくん。すぐ気持ちよくしてあげるね」
「あ…っ、ユキト…っ」
ぐんっ、と下から、腰を突き上げられた。
ユキトのペニスの先端が、俺の奥深くを勢いよくえぐる。
「んぅう…ッ!!」
柔らかな顔に似合わない凶暴なモノが、ぐっ、ぐにっ、と蜜肉を押し分ける。対面座位の格好で座り込んでいる俺には、その快楽から逃げる術がない。
「あ、ぅンッ…!やぅうッ…!ひゃ、あっ!」
強大な悦が淫肉の奥へ迸り、ビク、ビク、と蜜襞を甘く震わせる。
俺は上半身をくねらせ、強すぎる快楽を逃そうとしたけれど、ユキトがそれを許さない。及び腰をグッと掴み、動けないようにしたところで、わざと、俺の弱いところを続け様にノックする。
「ひゃンアッ…!?そこっ、だめえっ…!すぐイくッ…!」
「ん?我慢できないから気持ちよくしてって言ったのはハルくんなのに?」
「で、でもぉっ!すぐイくのはヤだぁっ…!んぅっ!」
我ながら情け無い悲鳴を上げ、俺はユキトの首に抱きついた。
目が、合う。
熱を帯び、色っぽく意地悪に濡れたユキトの瞳。
鼻と鼻がくっつきそうな距離だった。
今がキスのタイミング…と、きっと、俺じゃなくっても思っただろう。
…それでも、ユキトは、しなかった。
ふいっ、と目を逸らし、ごく自然な仕草で顔を離す。
そして、代わりに甘い声で、「ハルくん、今の顔可愛すぎるよ」なんて、嘯いてみせる。
…ああ。いつも「こう」なのだ。
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