××は再会のあとで
「……斉藤先生」声を掛けられ起きればそこは見知らぬ部屋の一室だった。腕の拘束、目隠し、先刻別れたはずの元教え子、神崎累の声。そして、与えられ始める快感。そのどれもが初めてで、そのどれもが本来あってはならないものだった。
「ふふ……斉藤先生」
楽しそうに笑う声が頭に響いて俺は目覚めた。
目を開けたのに目の前が真っ暗だ。
まどろみの中から少しずつ覚醒してきて、状況がだんだんつかめてくる。腕を動かすと固くて冷たい金属が当たって痛い。どうやら手錠か何かで拘束されているようだ。眠っていたからか、まだ頭がぼうっとする。
「神、崎……?」
俺は今日、久しぶりに元教え子とばったり会って彼の学生時代の思い出話をしながら楽しい時間を過ごした。そうやって今夜は嬉しい気持ちを家に持ち帰り、ゆっくりと休む予定だったのだが、どうしてこんなことになったんだ?
「目隠しとチョーカー付けたんですけど苦手じゃなかったですかね?苦しくないですか?」
そう言われて真っ暗の理由に気づく。目隠しをされているらしい。
チョーカーはキツめにしてあるのか少し息苦しい。
「それよりもここはどこなんだ?神崎。俺は何でこんなことを……」
「何も心配はありませんよ。帰りたいって言ってくれればちゃんと帰れますから」
彼がくすくすと笑う。
ギシギシという音が聞こえてきて今俺はベッドの上にいることと、彼が近づいてきていることを把握する。
自然と体が硬く強ばる。
「怖がらないで?俺はあなたにとっていいことしかしませんから」
「……っ」
細い指が服の下に入るのを感じる。俺の体の皮膚の薄いところを彼の手が這うように動いてくすぐったい。腹、脚、ふとももと徐々にデリケートな部分へと近づいてくる。それを止めたくて手を伸ばそうとするが、試み虚しく手錠に邪魔をされる。
彼はくすくすと笑いながらふとももの内側をいやらしく撫で、そろそろいいかなと呟いた。
「な、何をしてるんだ」
「俺ね、先生が大好きだったんですよ。ずっと」
ぎしりとベッドが軋んで俺の上に体重がかかる。
何か柔らかいものに唇を塞がれ、次の瞬間舌が入ってきた。くちゅ、と音を立てて吸い付くように深いキスをされる。
口を塞がれているのでやめろと言うこともできない。
焦りが俺の心を支配した。
性器にじかに触れられどきりとする。鼓動が速くなる。震えているのは恐怖からなのか、それとも欲情からか。……教え子に欲情だなんて、冗談じゃない。
「気持ちよくしますから、もう少し待ってくださいね」
「く……っ」
性器を撫でくり回されて嫌な感覚に耐える。目隠しをされているため触られているところに自然と意識がいってしまう。嫌だ。感じたくない。
神崎は遊ぶように撫でるのをやめ、今度は性器をしっかり握った。いまから何をされるのか否が応でも理解してしまう。
「やめろ……!」
「焦らしてほしいんですか?先生もマニアですね」
おかしなことを言いながら性器を扱く。
抗おうともがいても、抜け出すために有効な手段が見つからない。息が上がり、だんだんと不快感が快感に変わってくる。俺は声を必死に抑えることしかできない。
「声、聞かせてくださいよ」
「あ……っ、ぐ……」
「ふふ、イク時には言うんですよ?」
さっきより少し強く握って扱いてくる。堪らずに小さく喘いでしまう。気持ちよくなりたくないのに、早く気持ちよくしてほしい。そんな矛盾が俺の中でいっぱいになる。
「は、は……っ、んん……っ」
「あは、先生可愛い……」
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