今夜もずっと君のもの (Page 6)
ズンズンと突かれるたびに視界がクラクラと揺れる。
達したばかりだからか、気持ちいいからか、ビリビリと全身が痺れて頭の中がすでに飛びそうになっていた。
「ショーイチ、愛してるよっ…。僕の可愛いショーイチ。ずっと一緒だからねっ…」
「はっ…あ、ノエル、無理っもぅ…イキそ…っ」
そう俺が言えば、さらにノエルは腰の律動を速めてきた。
「あっああ、一緒、一緒だよっショーイチっ…あっあっああっあああっ」
熱が想いが激しくぶつかってくる。
心配しなくても、とっくに心も身体もノエルのモノになってんのに…
俺が達したと同じタイミングで、ノエルも俺のナカで果てた。
*****
「ねえショーイチ。イベントの夜さ、ウチに泊まりに来ない?」
「今さら…。大体仕事がある日はそのままどっちかの家泊まってるじゃん。それに翌日は…」
「うん!僕の誕生日!覚えてくれてて嬉しいよ」
覚えるもなにも、12/25が誕生日なんだからそうそう忘れることもない。
ノエルはニコッと笑ってから、甘えるように両手を合わせてきた。
「それでね、その日から10日間ぐらい、一緒に旅行いかない?」
「は?」
「あー…やっぱ無理?ショーイチも実家に帰ったりするもんね」
「あ、俺の両親丁度来年が銀婚式だからってんで、年末年始かけてクルーズ船旅行するらしくて、だから帰省の予定はないけど…」
「え!?そうなの!?だって、ショーイチ1/1が…」
「まあ、昔から誕生日って感覚なかったしな」
正月に生まれたからショーイチと単純に名付けられた俺。クリスマス生まれのノエルと同じように忘れられることはない誕生日だけど、誕生日をしっかりと祝われた経験もあまりなかった。プレゼントもクリスマスと一緒くたにされて、お年玉が誕生日のかわりといった具合だった。
だからノエルと付き合って最初の誕生日、ハッピーニューイヤーではなくてハッピーバースデーを先に言ってもらえたときは不覚にもキュンときた。
恥ずかしいからそれはノエルには言わないけど。
「で?旅行ってなに?どこ行きたいの?」
そう俺が聞けば、ノエルはエヘヘーと顔をクシャクシャにして笑った。
「あのね、僕のフランスのおばあちゃんとこ。パパとママも一緒なんだけど、ショーイチも一緒に行こうよ」
「は!?いや、無理だろ。なんでっ…」
「ちゃんと紹介したいもん」
「なんて紹介するんだよ!?」
「僕の大切な人だよって」
当たり前みたいにノエルは言う。
嘘だろ、無理だなんて言っている俺だけど、多分ノエルに差し伸べられた手を握って、彼の生まれ育った場所に行っているんだろう。
容易に想像できる未来に、俺はやれやれとため息をこぼした。
Fin.
最近のコメント