俺達の始まり (Page 5)

経験したことのない刺激を、俺の下半身はキモチイイと認識したようで、強烈な射精感に襲われる。こんなの、男相手じゃないとできないことなのに。

「言っときますけど、このヌルヌルしてるの、ハルトさんの我慢汁ですからね」

そう言って、マサヤは俺の胸の突起をグ二、と噛んできた。胸をこんな風に弄られて刺激されるなんてことも、これまでに経験したことはなかった。

「やっあっああ、もうっ…」

初めて知るアレコレが一気にやってきて、急速に熱が高まった。

なにもできないまま、何も言えないまま、俺は、マサヤの舌で胸を弄られて、マサヤの手で下半身を扱かれて、勝手に果てた。

ツー…と、俺から出た欲が太ももを伝って流れ落ちていく。

「あっ…悪い、俺…」

ラグかフローリングか、どちらにせよ汚してしまうと思って、慌てて起き上がろうとしたのに、マサヤはそれを許さなかった。

「いいから。動かないで」

「え…」

「自分だけイッて終わりとか、言わないでくださいね？」

確かに、マサヤのモノはまだ熱をもって勃ちあがったままだ。

でも、じゃあ何をすればいい？と考えていたそのとき、下半身に置かれたままだったマサヤの手が動いた。

「い…っ！？」

イッた直後というのもあって、全身が弛緩してた。だから、全くの無警戒。そんな俺の後ろ。ソコにツプリとマサヤの指が挿入ってきた。

後孔の周りにも、マサヤの指にも、俺が出した白濁がトロトロとまとわりついていて、それが潤滑剤となったのもあるんだろう。俺の後孔はすんなりとマサヤの指を招き入れていた。

「は…っあ、ああっ」

俺の尻肌をヌルヌルしている親指の先で撫でながら、マサヤは挿入した中指をグチグチュとピストンさせた。今までにない感覚に、変な声が漏れる。

こんなところ、触られたいわけないのに。

どうしてだか、ヤメてほしいとは言えなかった。

いや、それどころか―…

「あっああ、んっ…」

「キモチイイ、ですか？ねぇ、腰、動いてますよ」

挑発するように言って、マサヤはもう1本、指を増やしてきた。

「んっ…は、あっあ…な、なんでっ…」

ゾクゾクと全身が痺れるような快感が、自分でも怖かった。

なんで俺は男に…それも年下の正直あまり好きではなかったはずの奴に、尻を弄られてこんなに感じてしまっているのか。オカシイと思うのに、心とは裏腹に俺の身体はもっと先を求めてるようだった。

2本の指で俺のナカを好き勝手に掻き回していたマサヤが、ピタ、とその動きを止めた。

「ハルトさん。ちょっと、もう限界。挿れていい？」

マサヤは軽く腰を揺らして、俺の太ももにそうとわかるように限界まで硬くなっているだろうモノをこすりあててきた。指よりも明らかに大きいソレを、マサヤは俺のナカに挿れるつもりらしい。

「や…でもっ」

警戒心がとっさに口を割って出た。

だってこんなの、挿入るのか？

「大丈夫。優しくするから」

俺の心を読んだみたいに、マサヤは言って2本の指を抜いた。ヒク…と後孔の入口が、名残惜しそうに疼いた。

「ハルトさん。もっかい、キスしましょうか」

「え…」

その声に誘われるように、マサヤの顔を見上げたら、フワリと影が落ちてきてすぐに唇を塞がれた。