俺達の始まり (Page 6)

さっきと同じように舌で口内を犯されるのが、さっきよりも気持ちよく感じた。そうして、俺の口の自由を奪いながら、マサヤは自然に後孔に自身を埋めていった。

「んっ…ん、んっ…ん――!!」

ズズズ…とナカに侵入されたらやはりさすがに痛みがあって、それを伝えようと必死で喉奥から声を絞り出そうとしたけれど、それはすべて空気に触れることなくマサヤの口に飲み込まれた。首を振ってイタイをアピールしてみても、マサヤは止まってくれなかった。

優しくねーじゃん。全然。

そんな悪態は、声にはならず、最奥まで突かれると同時に俺のナカで噛み砕かれた。

「んっ…ん、んっ」

腰を打ち付けられるたび、脳がビリビリと痺れるような強い快感がやってくる。痛いと気持ちいいが混ざって溶けて、オカシクなりそうだ。

いや、もうなってる。

だって、男に突っ込まれて感じてるなんて、それだけでオカシイじゃないか。

「あっ…は、ああっあっあんんっ」

唇を離されたら、情けないぐらいに大きな俺の声が部屋に響いた。

「ハルトさんっ…やば…可愛い」

そんなことを言ってくるマサヤを、カッコイイと思ってしまうなんて、不覚にも胸がキュゥとしてしまうなんて、相当俺はオカシくなってるようだった。

「あっ…マサ…ヤっ」

「ん…っちょっ、と、待って…」

マサヤは堪えるような顔で笑うと、片手で俺のモノをキュッと握ってきた。

気持ちいいがせめぎ合ってて気づかなかったけど、俺の自身はしっかりとまた勃ちあがっていたのだ。マサヤの手が腰の動きに合わせて俺のモノを扱いてくるから、頭のなかはもうグチャグチャになって弾けそうになっていた。

「あ…や、やぁ…マサヤ、だめっもう…」

「は…っ、オレも――」

言って、マサヤはスパートをかけるみたいに腰の動きを速めてきた。

「ひぁっ…あっああっ、あんっあああ――っ!!」

ビクンっと全身が波打って、快感の渦に飲み込まれる。

意識が飛びそうな感覚のなかで、俺の身体をギュウと優しく抱きしめてきた、マサヤの温もりはハッキリとわかった。

*****

「…信じらんねぇ」
借りたスウェットを着てボソリと呟く俺に、マサヤはバツが悪そうに苦笑した。

「や…あの、すみません。こんなことするつもりはマジでなかったんですよ」

「いやお前は信用できねぇわ。今日誘ってきたのも、家に連れ込んだのもハナからそのつもりで…」

「心外ですよそれ!ただオレは、ハルトさんのことは前から好みだったから!ドラマ始まる前にちょっとでも仲よくなりたいなー…って」

「だからそれがそもそもおかしいだろうが!何だよ好みって…」

するとマサヤは、足元に転がっていたBL漫画を手に取り、爽やかな笑顔を俺に向けてこう言った。

「さっき言ったじゃないですか。“男同士だからって抵抗はない”って」

やっぱりハナからソノ気だったんだろうという突っ込みは飲み込んで、俺はこれからコイツと恋愛するドラマを演じるのかということに一抹の不安を覚えるのだった。

Fin.

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