一晩だけのお願い (Page 2)

窓の外は、東京タワーで彩られており、星が地上に落ちてきたのかのような景色が広がっていた。

窓のそばにいくと、和泉さんがゆっくりと僕を抱きしめる。

「ぼ…僕…」

「今は、僕はだめだ…聖、私っていってごらん?」

少し意地悪な顔で和泉さんが、耳元でささやく。

「……わ…たし……」

「…そう…聖…本当に女性みたいだぞ?そのワンピースすごく似合ってる」

「恥ずかしいです…ぼ…私、和泉さんのために頑張ったんです…」

「うれしいよ…」

そうして、和泉さんはゆっくりと僕に口づけをした。

「んっ…んはっ…」

和泉さんの舌が、僕の舌に絡まり、吐息が漏れる。

ワンピースから見える僕の鎖骨に、和泉さんはゆっくりと唇を這わせていく。

「んぁっ…ふぁっ…んっ…」

「こんな感じでいいのか?」

「…んっ…はい…女性も男性も、性感帯は似てるんです…んっ…」

「聖…本当に男か?」

そういいながら、和泉さんは後ろに回り、うなじに口づけをする。

僕は、好きな人に責められているという興奮から、すでに、男根がそそり立っていた。

和泉さんは、ワンピースをゆっくりと脱がし、背中に唇を這わせる。

「んやっ…そこっ…和泉さんっ…本当に…男性はっ…初めてなのっ…んふっ…」

「初めてだよ?ホストだから、お客様が喜ぶことは勉強するのは普通だろ?」

お客様…その言葉は僕の心に少し影を落とした。

こうやって、和泉さんが僕を愛してくれているのも、僕が客という立場だからだと改めて知ったからだ。

だけど、僕は、大好きな和泉さんに一晩だけでもいいから愛してほしかったのだ。

「なにを考えてるんだ聖?今は俺のことしか考えたらいけないよ?」

そういいながら、和泉さんは僕の胸の突起を刺激した。

「んあっ!!…そこだめぇっ…んふっ…」

「だめなの?嫌ならやめるよ?」

「…嫌じゃ…ないです…」

恥ずかしい…大好きな和泉さんにこんなことをいってしまうなんて…

「じゃあきもちいんだね?」

「…和泉さんって…いじわるする人なんですか?」

「さぁ、どうかな?…俺も、もうそろそろ聖を支えるのが疲れてきたから、ここに手をついてくれないか?」

和泉さんが示したところは、大きな窓だった。窓に手をつくと、窓にうっすらと反射した和泉さんの姿が見えた。

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