背徳が愛を乞う (Page 4)

この瞬間、間違いなくマサルは、ヒロヤという1人の男に魅せられていた。

自分の膝の上にヒロヤがまたがってきて、ギッとスプリングが軋んだ音にマサルはハッとする。

「ちょっ…と、待って。仕事させてって…それは…」

真上からマサルを見下ろしてくるヒロヤの瞳は妖艶で、黒く光る宝石のようだった。

「わかるでしょ。せんせーなんだから」

ニンマリと笑って、ヒロヤは中途半端に肩に引っかかったバスローブはそのままに、マサルのほうへと覆いかぶさってきた。

チュッ…とわざとらしい音をたてて吸い付かれたのは、首。
熱い吐息と舌の感触に、ゾクリと全身があわだった。

「あ…ぅ、ムラタっ、こんなこと…」

「こんなことって…これが俺の仕事なの。あ、ってかせんせー。タチで予約いれてたけどそれでいいんだよね?」

サラリとそう言ってのけて、ヒロヤは手慣れた様子でマサルのバスローブのヒモをゆるめると、ためらうことなく下着に手で触れた。
条件反射なのか、ピクっと反応するマサルの自身を、下着の上から包むように握って軽くしごきだす。

「ムラタ…だめ、だよ」

「…だめって。店にきたのはせんせーでしょ」

「だからそれは…あっ…」

ヒロヤの手が下着の中に入ってきて、マサルのモノを直にギュッと握ってきた。

「ふ…さっきより硬くなった」

ニヤリとヒロヤは笑い、ペロリと舌なめずりをする。

グラグラとマサルは自分の視界が揺れている気がした。今、目の前で笑っているヒロヤが、今のヒロヤが、学生服姿のヒロヤになったり、戻ったり。まるで、夢と現実の狭間にいるようなそんな感覚だ。

ふ…と視界からヒロヤの顔が消えたと思ったら、先ほどから軽い刺激を与えられていた下半身に熱い吐息の感触をとらえ、慌ててマサルは上体を起こした。

「あ…ムラタ、そんなっ」

目線の先、マサルの下半身に顔を埋めたヒロヤが自身を口の中に咥えこんでいた。
チラと、上目遣いでマサルを見て、ヒロヤは先端を喰(は)んだまま言う。

「そんなって、純情ぶらないでよ。こーゆー店利用してるんだから、経験あるんでしょ」

ヒロヤがそう喋るものだから、舌と歯が不規則に鈴口に当たって、ビクビクと嬉しそうに反応している。

「だってほら、感じてるんじゃん」

フッと竿に息を吹きかけられて、それを合図のようにマサルの自身は完全に勃起した。

ヒロヤの舌がマサルのモノを舐め、口内に招き入れて、ねっとりと熱く、絡んでくる。
ジュポジュポといやらしい音を部屋に響かせながら、確実にマサルのイイところを責めてくるのだ。
根元はヒロヤの手がしっかりと握って、口の動きにあわせて上下に扱いている。

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