背徳が愛を乞う (Page 7)
「ムラタ…だめ、またイキそう」
「んっいいよ、あっ…んん…一緒にイこ、せんせーっ…」
ヒロヤの腰の動きが早くなって、マサルはそれに導かれるまま、2度目の欲を吐き出した。
その瞬間、一際強い力でマサルにしがみつきながら、ヒロヤも精を放った。
最後までずっと、2人は抱きあったままだった。
「せんせー…キモチよかった?」
バスローブを着直しているマサルに、ベッドに横たわったまま、ヒロヤが聞く。
「…キモチ、よかった…よ。とても…」
モソモソと呟くマサルにヒロヤは声をあげて笑った。
「なんで申し訳なさそうにするの」
「だっ…て、そんなつもりじゃないとか言っておいて、ちゃっかり最後まで…しかも、元教え子となんて…」
「いいじゃん。もう、俺もオトナなんだから」
そう言ってから、ヒロヤはタバコに火をつけると、一呼吸置いてからゆっくりと口を開く。
「せんせーって、やっぱせんせーだし勉強得意だよね?」
「ええっ?いや、得意じゃないよ。教員免許持ってるっていっても、中学の…自分の担当教科のことしかわかってないし…」
「得意って言ってよ」
「なんで――…」
言いかけた唇を、タバコの煙をまとわせた唇が塞いできた。
驚いて目をパチクリとさせるマサルに、黒い瞳を細めてヒロヤは言う。
「実はさ…俺、今さらだけと大学行こうと思ってんの。ここで働いてるのも学費貯めるためで。それで…今年、受験するつもりだから…」
マサルがずっと望んでいた言葉が、時間を告げるアラーム音と共に耳に飛びこんできた。
「せんせー。勉強教えてよ」
Fin.
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