君に与えるアメとムチ (Page 2)

「やにゃ、やなせッ、ひぅ、ひぁあああああっ」

 バイブの動きが大きくなる。

 えぐるように上下にブルブルと震え、前立腺を激しく刺激した。

 そのせいで意識が飛びかけ、背中がのけぞる。

「ああっ、あっ、んあああ」

「まさかあの男を俺と間違えてラブホに行こうとするなんて…、タクミの目は本当に悪くなっちゃったみたいだね」

「ひうううう、ちがっ、ちがう、ごめ、ごめんなさ…ぁあっ」

 思考回路まで途絶えそうだ。

 このままオモチャに身を委ねてしまいたい。

「はぁ…、タクミは俺なんかよりそんなものがいいんだ」

「へ…、ああっん」

 近くに人の気配を感じたのとほぼ同時、乱暴にオモチャが抜き取られる。

「あうっ」

 ビクビクと腰が震え、腹筋がピクピクと跳ねる。

 良質なベッドの上で敏感になった身体を休め、荒い呼吸を整えた。

 柳がベッドにあがる気配に身体がまた反応を始めるが、冷静を取り戻すように深呼吸を繰り返す。

 自分を抱くのは柳だけ。

 だからおびえる必要はない。

「…うぅ」

 だけど、やっぱり目隠しは怖い。

 もし、自分の身体を好きにしているのが柳じゃなかったら?

 そう思うだけで恐ろしくてたまらない。

 また、あんな目にあうのは嫌だ。

「やな、ぎ…やなぎ…ぃ」

「ッ…」

「こわい、よ…。もうあんなことしないから、お願い、許してぇ…」

 この体格でタチなのも、過去のトラウマがあったから。

 だから柳に出会って、柳に滅茶苦茶にされてからは、柳にしか抱かれていない。

「もう火遊びしないから…おねがい」

「火遊び、ねぇ」

 シュルッ…と目元から布が外される。

 開けた視界に入るのは、柳の怒った顔。

 柳は俺の口に指を入れて、舌をもてあそんだ。

「んぐうぅ」

「ねぇ、タクミ」

「ん…ぁ?」

「どうして俺が、出会ったその日に君を閉じ込めたと思う?」

 急にどうしたのだろう。

 柳は俺の舌を人差し指と中指で引っ張った。

 引っ張られる反動で、口を大きく開きあごを突き出す。

 すると柳の顔が近づいて、喉元を吸い付かれた。

「ああっ」

「ん…。まぁ、君がそんなこと知るはずはないけどね」

 ジュッ…と音をたてながら唇が吸い付く間、柳の手が拘束具を外す。

解放された腕と足が解放感にベッドへ沈んだ。

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