巡る想いと快感と (Page 5)

「お前を…お前の全部を欲しくなってしまうから、やめようって言ったんやで」

その言葉に、ドキリと胸が鳴る。
スパートをかけるみたいに、ツツミは激しく腰を動かしてきた。

「んっあっあああっあああっ」

シューズボックスの上に乗っていた、どこかの土産なのだろうか、陶器の置物が我慢の限界というように、倒れる。

「ツツミっ…ああっ、ナカ、出して、いいよっあああっ」

僕がそう言った直後、ズンと最奥まで突いてきたツツミの自身がドクっと大きく脈打った。

ドクドクと最奥に欲が注がれているのがわかって、ブルルッと体が震えた。
すべてを放ったあとも、ツツミは僕のナカに挿入ったまま、動こうとはしなかった。
本当はすぐにかき出して掃除しないと、あとで大変なことになるんだけど、僕もまだ、ツツミの温もりを感じていたかった。

「…彼女作って、結婚して、子ども生まれて、ていう俺のプランが、お前との関係を続けてると一生叶えられへんと思ったから」

「…結婚、するん?ツツミ?」

「将来の話や。でも、お前を抱くのが俺は好きで、多分それは、体の相性とかそういうことじゃない心の問題やと思ったから、手遅れになる前に離れた…つもりやったのに」

スン、とツツミが鼻をすすった。

「手遅れ…やったわ。今日、お前が、後輩に懐かれてんの見たらイライラしてどうしようもなかった」

「え…」

「お前が後輩と仲よくしてんの見たくなくて、アホみたいに酔って、そしたらお前、家まで送ってくれたから…我慢できんくなった」

ツツミが珍しく酔いつぶれていた理由が、そんなことだとは思いもしなくて、ポカンとしていたらゴン、と軽い頭突きをくらう。

「でもお前…明らかに半年ぶりじゃなかったし、もう他の相手がいるんやってわかったら、腹立つし悔しいし、でも抱きたいし…なんでお前、そんなすぐに他の奴…」

「ちょ、ちょっ待って。勝手に僕のことビッチみたいにすんのやめてよ。そんな相手おらんよ」

聞き捨てならない言葉に反論すれば、パチン、と尻肌を叩かれた。

「半年も放ったらかしにされてた状態違ったやん」

「だからそれは…」

こんな恥ずかしい暴露をしなければいけないなんて、思いもしなかった。
顔が熱くなっているのを感じながら、僕はモソモソと白状する。

「ツツミのせいで僕、1人でスルときも後ろ弄らなイケんくなったからっ…。自分で触ってたから…。こんな体になってしまって、多分この先、結婚どころか彼女作るのも諦めてるわ」

「…は、マジ?」

「嘘でこんな恥ずかしいこと言うわけないやん。全部ツツミのせいやんかっ!僕のこと夢中にさせといて急に離れたり…ってっんん!?」

僕が必死で話しているのに、ツツミは僕の顔を引き寄せて口づけてきた。
まだ挿入ったままの、ツツミの雄が、またズクンとたかぶったのを感じた。

「あっ…ん、んん」

ゆっくりと1度腰を引き、また奥へと突かれて、思わず声が漏れる。

「カワタ…もっかいヤラして?」

そう言って、ツツミは優しく笑うのだった。

Fin.

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