転移したサラリーマンが知らぬ間に騎士団長にプロポーズ!? (Page 4)
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「あれ……アルケさん……?おはようございます……」
「あっ、マサル……お、おはよう……」
ズキズキした頭は酒の飲み過ぎだと言っていて、なぜか隣に寝ていたアルケさんに朝の挨拶をするがどこかよそよそしい。もしかして泥酔していて変なことをしてしまったのだろうかと顔から血の気が引いていく。
「あ……すみませんでした!!」
「え、あの」
「覚えてないんですけど、昨日の晩、変なことしちゃいましたよね……ほんとにすみません……!」
「あ……いや、マサルは異邦人だし、知らないのも当たり前だよな……!」
アルケさんの説明によると、肌を見せる行為が恋人同士がすることで、素肌に触るということも恋人か結婚した者のみが行うことらしい。この世界で恋人になると、ほとんどのカップルがそのまま結婚までするらしい。男性同士の結婚は珍しいことではなく、男性間での子供もできるとのこと。
それなのに俺は素肌を触っただけでなく、避妊もせずにセックスまでしてしまって現代なら完全に犯罪者だ……!異世界での常識を知らなかったとはいえ、酒を言い訳にしてどうこうできる問題ではないことはわかっている。
「うわぁあ!!すみません!ほんとにすみません!」
「あっ、いや、知らなかったし、仕方ないというか」
「いや、責任とります」
ん?責任を取るって思わず言っちゃったけど、この場合怪我をさせたから治療費を出すとかそんな問題じゃなくて、アルケさんと付き合う、その後の結婚まで見据えた……プロポーズ、しちゃった。
「よ、よろしくお願いします……」
「あ、はい……不束者ですが、よろしくお願いします」
まあ、元の世界に戻る気もないし、この異世界で恋人を作って幸せに暮らすのも案外悪くないかもしれない。
Fin.
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