羊の皮を被ったオオカミ (Page 5)
「先輩、そろそろ入れてみましょ?」
「…そうだな。痛くするなよ!?」
「ふふっ、もちろんですよ。かわいいなぁ」
「ばーか。かわいいのはお前の方だろ…」
自然と零れたその言葉。
そういえば、思っていても口に出したことはなかったかもしれない。
カズヤは一瞬驚いたようにも見えたが、その後頬を染めてはにかんでいた。
そんなカズヤも、もちろんかわいい。
カズヤは、太く、血管の浮いたイチモツに、ローションをたっぷりとかけた。
そして、俺の穴の中にもたっぷりと…。
俺の穴の入り口に、カズヤの先っちょがあてがわれたのがわかる。
熱くて、とても硬い。
くにくにと周りを弄ばれ、なんだか物足りない気持ちになってしまう自分に驚いた。
今夜は驚きの連続である。
「じゃあ、いきますよ…」
ヌッ。
「いっ…てぇー!!」
恐ろしいほどの異物感。
これはすごい。
俺の抱いた処女もこんな気持ちだったんだろうか…。
だとしたら申し訳ないことをした、ゴメンナサイ…。
「痛くしないって言っただろ!?」
「最初はしょうがないですって。まだほんの少ししか入れてませんし、痛いならこれ以上は入れません」
「あぁ…そうか…なんか、ごめん…」
あまりの衝撃に取り乱してしまったが、カズヤは至って冷静だったし、何より優しかったことが俺は嬉しかった。
「入らない分、コッチ触りますね」
ぎゅっ…。
カズヤは俺の再び硬くなったモノを握ると上下にこすり始めた。
「いいって!やめろやめろっ…!」
異物感と快感が同時に襲ってくる。
この状況はなんと説明したらいい?
そうこうしているうちに、カズヤのモノがまた少し中に入った。
「ホラ。気持ちよくなったから入ったんですよ」
「う、うるせー!」
俺はあまりの恥ずかしさに両腕で顔を隠した。
先輩なのに、この余裕のなさ。
後輩に組み敷かれ、女のように穴で感じている。
しかも尻の穴。
情けない…。
「先輩…俺、生殺し状態なんで…動いて、いいっすか…」
腕をどかすと、かわいい顔に色気が加わり、なんとも妖艶な雰囲気を纏ったカズヤがいた。
「…いいよ」
そのあまりのギャップに、また口が勝手に動いた。
カズヤはにこっと微笑んだのち、目をつむり、歯を食いしばって腰を前後させた。
俺に気を遣ってか、奥までは突いてこない。
その男性的な姿は、普段のふわふわにこにことしたカズヤとは、まるで別人で…。
とても色気のある、かっこいい青年だった。
―――
翌朝。
体がとてもだるい。
ケツの穴はちゃんと閉じたのだろうか…。
違和感しかない。
ふと隣を見ると、天使のような寝顔のカズヤがスースーと寝息を立てている。
やっぱりかわいい。
まさに、羊の皮を被ったオオカミだ。
次は俺が入れてやるからな!覚悟しろよ!!
Fin.
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