ライバルはスマートフォン (Page 2)
瑛は会話を続けることは早々に諦め、けれどもなにをそんなに夢中になっているのは気にはなり、首を伸ばして春巳の関心を奪うスマホの画面を盗み見た。
表示されているのは流行りのパズルゲームで、忙しなく動く指先と目線に、相変わらずだな――とあきれから苦笑した。
これではいつまでたっても相手はしてもらえそうにない。
ならば…と、瑛はソファの上でずるようにして春巳の隣に移動すると、半身を密着させた。
二人の背丈はほぼ同じ、春巳の方が若干高いくらいだ。
首を無理矢理に捻り倒し、その肩に乗せて反応をみた。
「瑛…」
再度、うっとうしい――と、露骨に吐かれるため息。
二人が付き合い始めて二年半、同棲してから二年も経てば付き合い始めの頃と比べて情熱は薄れていくのは当然であると理解はしているが、やはりぞんざいに扱われるのは面白くはない。
とはいえ、スマホと自分のどっちが大事か――などと女々しいことを言うつもりも、ケンカをしたいわけでもなかった。
できる限り穏便に、そっけのない恋人の関心をこちらに向ける方法。
そんなのはひとつだけ――。
瑛はおもむろに片手を春巳の膝の上に置いた。一度手の位置を下げて膝頭を撫で、そのあとに徐々に上方へと移動させていく。
部屋着の薄いズボンの上から股間を緩やかに掴むと一定のリズムで指を動かした。
ふにゃふにゃとした感触を楽しむかのように、ソコを揉んでは刺激する。
春巳はまた一度だけため息を吐いた。けれどもなにも言わずに、瑛にされるがまま…。
「…ん」
三十秒ほど経過したころ、春巳が小さくうめいた。そして、少しずつではあるが指先に伝わる感触が変わりだす。
徐々に芯を持ち硬くなり、大きく膨らんでいく春巳のモノ。
薄い布地を持ち上げる塊をじっと見つめて、瑛は口の中が疼き舌なめずりをした。
けど…と、春巳を見る。こんな状態になりながらも、春巳は瑛を見ようともせず、スマホを握ったまま相も変わらずにパズルを解くのに必死になっていた。
「…少しはこっち、見ろよ」
つい、ぼやいて子どもっぽく頬を膨れさせる。返事がないのは意図的に無視をしているからか、それとも単に聞こえていないのか…。
若干の腹立たしさを覚えた瑛は、ソファから立ち上がるとすぐさま春巳の前に移動しひざまずいた。
膝頭を割り開き、隙間に胴体を割り込ませるとすぐさまズボンの穿き口に手を掛けて下着ごとずり下げる。
下着の中から硬く張り詰めた春巳の男性器を取り出した。
早急で大胆な瑛の一連の行動に対し、春巳は我関せずといったふうにスマホの操作に勤しみ…ならば、と瑛はためらわずに口を大きく開いて目の前の熱を咥え込んだ。
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