ライバルはスマートフォン (Page 3)

 そして、今に至る――。

 瑛の口淫に負けたスマートフォンは今やソファの上に転がり、代わりに春巳の手に握られているのは猛った瑛の欲望だった。

 体勢も変えずにソファに座ったまま眼鏡だけを外した春巳に対し、瑛は着ていたシャツを自ら脱ぎ捨ててその膝の上にまたがっていた。 

 ソファの上で膝で立ち、ズボンも双丘が露になるほどに下げた状態で、瑛は胸元に埋まる春巳の頭を抱え込む。

「あ、んっ…それ、もっと…」

 乳首を這う舌の感触に背筋を震わせ甘くねだった。

 尖る乳首を舐められ吸われ、瑛は腰をくねらせては小さく喘いだ。

「はぁ、ヤバ、きもち…イイ…ぁっ、あ…」

「瑛、ここすげー濡れてる…」

 春巳は両の乳首を時間をかけて交互に舌で愛撫しながら、もう片手で瑛の陰茎を扱いた。 

 器用に動く指先が先端のくぼみを引っ掻くたびに、瑛のソコは悦びから透明な蜜を溢れさせていた。

 潤む先端を撫でられ、また溢れた蜜を絡ませた指で竿全体を扱かれる。

 潤滑を得た動きは滑らかで、瑛は淫らに腰を浮かせては揺らし呼気を荒くした。

 もうイキそう――高まる絶頂感を声に出そうとしたとき――。

「ひぁッ」

 ずっと所在なく腰に添えられたままでいたもう片方の春巳の手がなんの前触れもなく双丘に回り、片側の盛り上がりを掴んできた。

 情けのない悲鳴を上げ、瑛は首を反らした。

 その指は割れ目を開き、奥まった蕾にあてがわれ、窄まるヒダをなぞり、時折緩く揉み込んでは刺激を加え――。

「ぁ、あ…っ」

 春巳から求められているという事実に、期待から胸は高鳴り、瑛の身体は疼きを増した。

「ベッド、行くか?」

 ローションも、ゴムも、ここにはない――春巳の問いに、瑛はこくりと頷いた。

*****

 1DKの狭い間取り、移動はすぐに済んだ。

 セミダブルのベッドに二人は服を脱いで上がり、ローションとコンドームをそれぞれに用意する。

 先程と立場は逆転し、今度は春巳が瑛を跨いで膝で立つ。

 うつ伏せになる瑛の目端にローションを取る春巳の手が映り込んだ。

 瑛が僅かに腰を浮かせると、その動きに合わせるようにして尾骨の辺りに粘着質な液体が垂らされた。

 体温よりも冷たいそれが肌を伝い落ちていく感覚に、瑛は身をすくませながらも春巳の手が触れるのを待つ。

 蓋を閉める音に続き、瑛の視界に転がったボトル。続けて双丘に手がかかった。

 割れ目を開き、今度は粘液に濡れた蕾に指先が触れる。

 最初、春巳はただ蕾を撫でては指に粘液を絡ませていたが、瑛のソコがヒクつき出したのを同時に、つぷんっと指を埋め込んできた。

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