秘書の仕事は性接待

・作

社長のために、性接待要員として様々な重役と肌を重ねる涼。いつものようにホテルの一室へ向かうと先方から今日は珍しく「複数人を相手にしてほしい」と言われ承諾する。しかしそれは、媚薬による快楽責めの始まりだった──。

幼い頃社長に拾われた俺は、大人になった今では立派に性接待の要員として会社に貢献していた。そうなるように仕込まれてきたから、別にさして抵抗はない。
仕事でなければ見ず知らずの男と寝るなんてごめんだが、恩義ある社長のためなら苦ではなかった。

今夜も、指定された高級ホテルの一室をたずねる。すると、先に聞いていた相手以外の男たちが5名ほどいた。

「今夜は何人かで君を可愛がりたいんだけど、いいかい?どれも常連だから安心だろう?」

「…はい」

複数人に抱かれることは何度か経験があるが、さほど多くない。
多勢に無勢では対処もしづらく、こちらとしては不安が大きいけれど仕方がない。取引先が希望しているのだから拒否する理由なんてなかった。

ハサミで服が裂かれて、身に纏うものが剥がされていく。
いつものことだが、これで向こうが朝までに服を用意してくれなかったらという不安が毎回ちらつく。逃げられないんだという実感も。

「おや、まだ勃ってないね。緊張してるのかな」

「少し」

「じゃあほぐれるように、今日は媚薬入りのローション使ってみようか」

「え、でも…俺ちゃんと感じられますよ。立花さん毎回気持ちよくしてくれるし」

「ふふ。それはわかっているとも。けれど面白いものが手に入ってね?これは政界や芸能界でも一部の人しか手にしていない、特別なローションなんだ。効き目が強すぎて、抱かれる側の熱が引かず大変なことになる代物らしいよ。だから、大人数で楽しむのに最適なんだ」

「…ほんと?楽しみ」

得体の知れないものへの恐怖で震えそうになる声を飲み込んで、俺はニッコリと笑って返した。

「──待って、ゴム口で着けさせて?」

「ああ、ゴム?今日はその必要はないよ。入れかわりでやるからそんな暇もないだろう」

「っ、でも」

「それに…いつもうまくはぐらかしてるけど、涼くんほんとは中出しされるの嫌なんだろう?」

「そんなことっ」

ぎくりとした。中で出されたのは性行為を覚えさせられたときの数度くらいだった。
普段はそれとなく手や口を使って相手にゴムを着けさせていたから。

「じゃあいいよね?ほら、中触るよ」

「待っ…んぁあっ!!」

媚薬ローションをまとった指が中へと進む。少しすると、すぐにじんじんと熱くなるような感覚があった。
息も上がって吐息が漏れる。軽く前立腺に触れるだけで今までに無いくらい感じてしまう。

これ、まずいかもしれない。
生じる不安を隠すように掌をきゅっと握りしめた。

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