さよならが下手だってあいつが言うから、僕はキスもエッチもねだってしまう
リクトが大学生の頃から3年付き合っている陽介は、いつも「リクトはさよならが下手だね」と言って笑う。呑んで別れるのが寂しくて愚図るリクトをいつも陽介は優しくあやしてくれるけど、そのせいでリクトはどうしても陽介に甘えてしまう。今日もリクトは分かれ道で陽介と別れられなくてキスをねだり…
「リクトはさよならが下手だね」
そう、いつも陽介は笑う。
あいつが言うように、僕はどうしても別れるとき寂しい気持ちを抑えられなくて、「もうちょっと」「あともうちょっとだけ」を繰り返してしまう。
馴染みのカフェ・バーで限界よりもう2杯多く飲んで、フラフラになりながら陽介に抱えられるように店を出る。
「明日も仕事だろ。帰って風呂入ってしっかり寝ろ」
あいつに呆れたようにそう言われるけど、それで寂しい気持ちがおさまるわけじゃない。だから、決まってお互いの家に向かう分かれ道の路地裏で、僕はあいつにねだる。
「…キスして。そしたらちゃんと帰るから」
付き合い始めた大学3年生の頃から3年。もう何回同じやり取りをしただろう?陽介もよくわかっていて、「またか」って顔をしながらそれでも僕のリクエストに応じてくれる。
路地裏は狭いし暗い。もう日付が変わろうというこんな時間に通る人はいないけど、それでも陽介は用心深いから辺りをしっかり見回して、それからじゃないと抱きしめてくれない。
「…リクト」
あいつが僕を腕の中に入れてギュッと抱いてくれるとホッとする。名前を呼ぶ低い声が鼓膜に響いて、それだけで僕はおちんちんや後ろの穴の奥の方が熱くなる気がする。
「よう、すけ」
自分から、ちゅ…ちゅ…と、ついばむようなキスを仕掛けると、陽介もそれに応じてくれる。ちゅ…ちゅ…と、同じようについばむような軽く触れるだけのキス。
何度も、何度も。甘ったるいバードキスを繰り返しているうちに、僕の唇は陽介を求めてじっとり湿ってくる。口の中は唾液でいっぱい。口の端から、タラリとこぼれそうになる唾を、陽介はクスクス笑いながら舐め取ってくれる。陽介の舌が僕の口の周りを這うと、あいつとしたエッチなことを思い出して、お尻の奥がキュッと締まる。
「もっとほしい?」
「…うん」
素直に頷くと、陽介は僕の半開きになった口の隙間から舌をグイと差し込む。陽介の舌はあいつのアソコと同じように大きくて厚ぼったくて熱くて…。僕はあいつのモノを口で受け止めたこの間のことを思い出してドキドキしてしまう。ただのキスなのに。ただのキスでも、相手が陽介だと感じてしまう。
「あ…んっ」
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