君の隣でいるために (Page 4)

「壁に手、ついて」

タクマの言葉はまるで呪文のようで、僕は操られたみたいに壁に手をついてしまう。

「素直じゃん。イイコ」

「ぅるさっ…あっ!」

大きくて熱いタクマの雄が僕のナカへと侵入していく。グチュリ、と生々しい感触にゾクリと鳥肌が立った。

そのときだった。微かに聞こえた物音とややあって脱衣所のドアをドンドンと乱暴に叩く音。ピク、とタクマは動きを止めて、僕は思わず片手で口を塞いだ。

「タクマ!?リョウ!?どっちかシャワー入ってる?」

シャワーの音と扉に隔たれながらも、マネージャーの声が僅かに耳に届いた。スゥと背中でタクマが息を吸ったのがわかった。

「俺。汗すげーかいたからシャワーしてる。終わったら行くから駐車場で待ってて」

「リョウは!?姿がないんだけど?」

ここにいますなんて言えるはずもなく、口を塞いだまま押し黙る僕の髪をタクマがスルリと撫でた。

「トイレじゃない?戻ってきたら一緒に行くから。待ってて」

「…15分後には出ないと次の現場間に合わないからね」

そうマネージャーが告げた後、微かな足音と遠くで扉が閉まる音がした。

「…んぁっ」

思い出したかのように、ズンと腰を打ちつけられて、手で押さえている口元から甘い声が漏れた。

「時間ないって。早く済ませないとな」

「やっ…ちょ、急にそんな激しくすんなっ」

スパートを決めるみたいな強いピストンに、ついさっきイッたばかりの身体はビリビリとしびれて、すぐに吐精感に襲われる。

「なぁ、リョウ。お前さっ…俺にこんな風に抱かれて、どんどんエロい身体にされて、嫌じゃねーの」

吐息混じりのその声色は、タクマの限界も近いのだと知らせてくる。

「あっ…だって…タクマが離れてくのっヤダ…もんっ」

普段会話がなくても、タクマに抱かれているときは心から繋がっている気がする。大丈夫だと安心させてくれるから。

「…っは、イキそっ、」

吐息混じりのタクマの声が震えていた。

「あっ…タク…マぁ!ぼく、も、イっちゃ…っ」

ズンッと最奥まで貫かれてドクリとナカに熱い精が注がれる。

「あっああ!!」

その快感に身を任せるように僕も2度目の欲を放った。グイッと後ろから顎を掴まれて引っ張られるままに首を傾ければ互いの濡れた唇が重なった。

ズルリ…と僕のナカからタクマの自身が抜き取られる。名残惜しそうに孔から溢れてきた白濁が太ももを伝って落ちていく。シャワーで僕の身体を洗い流しながら、ボソリとタクマが言った。

「離れねぇよ。心配しなくても」

胸の奥がじんわりと優しく温められていくような気がした。

Fin.

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