マフィアの兄弟盃!? (Page 2)
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ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。口づけの音が部屋にこだましていた。
この男、男同士での行為にとにかく慣れているのか、俺は声を漏らさずにはいられなかった。
「…っく、あっ!やめ、ろっ」
「Why?お断りです」
マックはわざとらしく英語を混ぜて俺に言うと、ウィンクをする。
「僕のファミリーでは兄弟になるということはこうやって交わること、なので。何も言わなかったのは、僕の好みなんですけどね」
そう言うと俺の首にかぶりつくようなキスをする。
「…ッああっ!」
「おやおや、君のものも相当気持ちよさそうだ。では、契りをかわそうか」
マックはそういうと、自分の反りあがったモノを俺の中に、一気に、押し込んだ。
ずぶり、とそれは入り込む。
「――ッ!!んあっ!!やめ、ろ…ぉっ!!」
「キュートな顔をしている」
俺をじっと見て、マックはそう言った。爆発するかのように顔が熱くなる。
「じゃ、このままクライマックスと行きましょうか」
部屋の中には肌と肌がぶつかり合う音が反響する。
今まで男同士での行為をしたことはなかった。けれど、不覚にも、気持ちよかった。
「これで、フィニッシュです!」
「ん、ふあ、あああああっ!!」
俺はつい情けない声を漏らす。体の中に、温かいものが放たれた感覚が広がった。
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「…どうして俺がいいって言ったんだ」
その後、マックは俺をお姫様抱っこした上に腰や体を撫でるようにして気を遣ってきた。
これが俗にいう英国紳士、というやつか。俺は思った。
「覚えてませんか?昔、優しくしてくれたこと」
その言葉を聞いて、ふと思い出した。
昔道に迷った外国人を助けたことを。
その外国人は何度も礼を言い、「ジャパニーズは冷たいものかと思っていた」としきりに感心していた。
俺は「義理と人情の生き物なモンでな」と告げて、きざな台詞に少し恥ずかしくなりながらもヒラリと手を振ったのだ。
「お前あの時のッ!!」
「ふふ、それで僕の気持ちは受け取ってくれるかい?」
俺は少し照れ臭く、そっぽを向きながら、一言こう返した。
「…ま、まずは兄弟からなら、考えてやる」
マックはぱぁ、と笑顔を浮かべると「ブラザー!」と大きく声を上げた。
Fin.
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