この夜が明けませんように (Page 2)
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「…あっ、ライ、ッ、様っ!」
僕は彼のものに何度も口づけをしながら、彼のものをむさぼる。
じゅる、じゅるりとしゃぶる音が室内にこだました。
「…っ、くっ、あっ、っ!」
ライ様は少し顔を赤らめながら、その気持ちよさに声を上げていた。
僕の目からは涙が止まらなかった。悲しい、つらい、苦しい、何よりうらやましい。
「ライ様、ライ様、ライ様ぁ…っ!」
僕はライ様の中に、自分の反り立ったものを入れた。
「ライ様、ライ様、愛してます、愛してます、愛してます、僕はあなたの一番でありたかった!だからこんなに頑張ったんだ!だから、ライ様、結婚なんて嘘なんて言ってよ、ねぇ、ライ様、ライ様ぁ…っ!!!」
「…ごめんな…ぁぁああああっ!!」
ライ様は悲しそうな顔で僕のほほをなでると、その気持ちよさに叫ぶように声を上げる。
「ライ様、せめて、今日だけは、今日、だけ、はっ、僕のものでいて…ください…っ!!」
「ああ、大丈夫だよ。今日“だけ”は、俺は、お前のものだ」
僕はその言葉を受けて、心の中に空虚なものを抱えながら、果てた。
「あああぁぁあああっ!!」
ライ様も気持ちよさのために、そのような声を上げると、僕と一緒に果てた。
僕の温かいものが、ライ様の中にどろり、と噴出された。
この夜はいつか明けてしまうだろう。
けれど。せめて、今日だけは。
「ライ様、僕のこと、受け止めて、ください…っ」
僕のものは一度おさまったものの、また少しずつ元気を取り戻していく。
この夜よ、どうか続いてください。
僕は悲しみとともに、ライ様にまた口づけをした。
Fin.
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