俺の先輩は甘えん坊 (Page 2)
「アッあっ、きもちいいッ……!潤、じゅん……!」
先輩の手がシーツを引っかく。快楽をどうにか逃がそうとしているようだけど、先輩の性器はもうすでに勃起していて、互いの腹の間で揺れていた。
「気持ちいいですか?」
「うんっ……!僕ね、潤と一緒に、気持ちよくなれるの、好き……ッ!」
何度も俺の名前を呼び、俺の手を握る翔太先輩。その目は潤み、今にも溶けだしてしまいそうなほどだった。
「は、ああッ、んんぅ……、ヤバ……きもち、いい……ッ!」
「っ……今日の先輩、素直ですね……」
かわいい、と思ったことは俺だけの秘密にしておこう。あんまりほめすぎると、きっと付け上がってしまうだろうから。
「翔太先輩」
俺は先輩の耳元で、彼が一番好きな言葉を囁いてあげた。
「俺の言うこと、ちゃんと聞けてえらいですね」
「ぁ……うんッ、~~~~~ッ!」
「静かになっちゃった。すっごく気持ちいいんですね」
本当に感じている時、先輩は声もなく呼吸を止めて身体をびくびくさせる。跳ねる身体を優しくなでながら、俺は律動を速めた。もう互いに限界はすぐそこだった。
「せん、ぱい……っ、一緒に……」
「うんッ、いっしょに、イこうね……?」
息も絶え絶えに言う先輩はあまりに健気で、その笑顔さえもぐちゃぐちゃにしたくなる。もっと、その顔見せてくださいよ。その一心で腰を打ちつけた。
「んんっ、あっ、じゅん……ッ、も、だめ、イく……イくぅ~~~~~!」
一際大きい声を上げた先輩は、そのままびくんと身体を震わせて絶頂を迎えた。俺も追いかけるようにして彼の中に精を放つ。その時にゴムをつけ忘れていたことに気づき、あわてて謝った。でも先輩は、満足げに下腹部をなでてこう言った。
「潤でいっぱいになったみたいで、うれしい」
「……はあ」
どれだけ俺を困らせたら気が済むのだろう。俺は頭を抱えてため息を吐いた。
事後の余韻に浸りながら、翔太先輩を抱き寄せる。まだ震えの止まらない身体を、なだめるようにぽんぽんなでてやる。すると先輩は満足そうな顔でふにゃりと笑った。
「僕ね、潤にほめられるの好きなんだ」
「いつもあんなに構ってちゃんなのに?」
「それはだって……」
先輩は一瞬口ごもった後、照れ臭そうにこんなことを口にした。
「潤の困ってる顔見るのも、好きだから……」
「ああ、もう……」
かわいいな。心の声が出てしまいそうになって思わず口をふさぐ。すると先輩は、不思議そうに俺の顔をのぞきこんできた。
「あ、今なんか言おうとしたでしょ。なんて言ったの?」
「別に、何も。先輩には関係ないことですよ~」
「うそだ~!潤のいじわる~!」
「はは、いっつもそれじゃないですか」
「だって本当のことだもん!」
べらべらとしゃべり続ける翔太先輩の言葉をはいはいと聞き流しながら、俺はやっぱりこの人が大好きなんだなあとしみじみ思った。
Fin.
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