美味しい恋人 (Page 3)

　オレの勃起の形に広がった腹の中、乱暴ではなかったはずだが急な侵入にびっくりして、しなやかな背中を震わせるカホに堪らなくなる。
　狭くて柔らかい内側をこねるように腰を揺すってやると、悲鳴みたいな声を上げてカホの足から力が抜けた。
　どこも痛まないように支えてやって、ベッドのマットレスを軋ませながらうつ伏せに寝かせてやる。
　それから、カホの背に乗り上げて抜けかけたペニスを押し込めば。

「あ、ああァ、ッ、！」
「カホ、ッ、は」
「ら、め、深いィッ…はいっちゃ…そこ、はいっちゃう、あ、ア、じゅ、んやさ、ぁ」

　いわゆる“寝バック”とか“うつ伏せバック”とか呼ばれるスタイルは、カホが膝まで伸ばして横になってしまうせいで身動きが取れなくなる。
　オレにされるがまま、ただただ犯されてしまう体位だ。
　けっしてひどくはしないし、カホの嫌がることはもちろんしない。
　けれど身体が動かせずに逃げ場のない状態で、常よりも奥までペニスの侵入を許してしまうそれは、お互いに気持ちよすぎて困ることもある。

「早い？　平気か？」
「いっ、イ…きもち、い、あ、ア、」

　ぱちゅぱちゅ、濡れた肉がぶつかる音を立てて律動する。
　カホの口唇からこぼれる声がどろどろに溶けているし、尻たぶを震わせて軽くイッてるのかもしれない。
　薄い背中にぴったりと身体をくっつけて、クッションとシーツに爪を立てるその手にてのひらを重ねて指を絡める。
　熱くなって汗みずくの首筋にキスをして、舐めて、苦しい体勢なのに一生懸命顔を寄せてくるから口付けて。

「カホ、カホ…オレのカホ。可愛い。愛してる」
「んン、うん、ぼ、くも…ジュンヤさんだいす、きィ」

　体重をかけてカホの形のいい尻肉を潰し、挿入を深くする。
　ひきつった悲鳴のような、声にならない喘ぐ音を喉から漏らしながら、カホの身体が痙攣した。

「うあ、すご…カホ、イッてる？」
「──…あ、ァ、！」

　押し込んだペニスを抜かずに、腰を揺すり上げる。
　ペニスの先端、亀頭のところがきつく締められて射精しそうだ。
　入っちゃうと涙声で訴えられていたとおり結腸まで届いてしまっていた。
　ここまできたらペニスを抜き差しせず、カホの腹の奥をこねるだけで頭の奥が焼き切れそうな快感がくる。