囚われの保育士は過保護な早漏先輩を射止めて (Page 3)
もうすぐ17時――そろそろ時間だろうか。
「淫乱先生、今日も…1人か。アンタ、本当にモノ好きだよな」
コツコツと足音を立てて現れたのは『パパのお話会』の後、一旦家路に着いた佐野さんだった。
“わかってんだろ?”とお尻をパチンッと叩かれると、自然と足が窓側へと向かう。ガラス戸の向こうは園庭だ。誰の目に触れるかわからない緊張感の中、おずおずとエプロンで隠れているスラックスを下げ、Yシャツのボタンを外す。幸いにも降園時間は過ぎていて、子供たちは家に戻っている。それだけが救いだった。
「さっき…俺以外の連中にも色目、使ってたよなァ…?」
「つ、使っていません!!」
僕は『パパのお話会』が始まって間もなくから、この男の性処理をしている。
きっかけは、佐野さんの息子である翔くんが、僕の監督不行き届きでケガをしてしまったことだった。あの日僕は、クラスの男の子数人と鬼ごっこをしている途中で、別の女の子から“おままごと”に誘われてしまったのだ。火煙先生は、別グループのなわとびで遊んでいて、こちらに気づかない。いつも男の子たちと遊んでいたから、たまには女の子たちと“おままごと”をしようと、ほんの数分目を離した時、事件は起こった。
『いたぁい――っ!!』
園庭で膝を抱えて泣きじゃくっていたのは、佐野翔くんだった。鬼ごっこのはずみで転び、擦りむいたらしい。火煙先生も駆けつけ、傷口を洗い流してから、医務室へと運んでくれた。
消毒液や軟膏(なんこう)で手当をし、バンソウコウを貼った翔くんは30分後にはすっかり元気になっていたんだけど、お迎えにやってきた佐野さんが納得せずに僕らを罵倒したのだ。その場は火煙先生と園長先生が謝罪を繰り返し、おさめてくれたんだけど、彼の怒りの矛先は新米である僕に向けられたのだ。
僕が会の後に1人で片づけをしていることを知った彼は、その日からこうして淫行に誘うんだ。
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