囚われの保育士は過保護な早漏先輩を射止めて (Page 5)

「これは僕が受けなきゃいけない罰なんです。先生たちは僕を責めずにいてくれましたけど…あの件は、きちんと見ていれば起こらなかったんですから。そんなに心配しないでください。挿れられた瞬間は痛くても、段々慣れてきちゃいましたし…。佐野さんが気持ちよくなって、怒りを鎮めてくれるのなら、僕はどうなったっていいんです」

悲しいのに、悔しいのに…笑って話せるのはなぜだろう。やっぱり僕が淫乱だから?

「唯…」

すると、信じられないことが起こった――火煙先生に抱きしめられていたのだ。

「このバカ…!何でもっと早く言わなかったんだよ!!いいか?今日から俺の傍を離れるな。俺がお前を守ってやる…」

*****

「ひ、火煙先生?それくらいは僕でも持てますよ?」

火煙先生の過保護っぷりは異常だった。とにかく何でも『危ないから』と言って、僕に物を運ばせてくれないのだ。給食のワゴン、棚の上にある荷物、机やイス…掃除機までも。

佐野さんとの行為を目撃されてから、『パパのお話会』後の掃除は、2人で行うようになったんだ。けれど、僕に与えられるのは、軽いホウキとチリトリ、モップだけ。こんなに仕事をさせてもらえないのって…ある意味、パワハラだよね?

それでも先生の役に立ちたくて、髪の毛ひとつ見落とさないように掃いていると、机を運んでいた彼にぶつかってしまった。

「あぁっ!すみません!!」
「まァーた、よそ見してたんだろ、唯!危ねぇな…ちょっとこっちにこいよ」

もうひとつ変わったことといえば…2人きりの時だけ、彼は僕を名前で呼ぶようになった。“なんで急に?”って聞いたら、“ボディガードだから”って突っぱねられた。
言葉遣いもくだけた感じになっちゃって、特別な関係みたい。

特別?そんな、まさか…ねぇ。

「ホラ、動くな。じっとしてろ…目に入ったらバイ菌で『いたい、いたい~!!』になるぞ」
「火煙先生ったら…」

知らない内に前髪に付着していたホコリを彼が手で払う。視線が合うと、ドキリと胸が高鳴った。

子ども扱いされたって構わない。男になんか興味ないってあしらわれたっていい。この時間が永遠に続いたらいいのに――僕は恩人である火煙先生に恋心を抱いてしまっていたのだ。

「唯…」

前髪に触れていた手が頬をなぞり、顎下を支える形となる。そのまま持ち上げられたのを感じて、ぎゅっと目を閉じた時――。

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