ライバルだったはずなのに (Page 2)

 健はいつものように無表情な顔で見た。そして少しして、ぼそっと喋った。
「…サツキ、なんで勃ってんの?」
「…はぁ!?」
 健の突然の発言に驚いた俺は、すぐに下半身に視線を向けた。確かに、見てすぐわかるほどに膨らんでいる。スポーツウェアの生地は柔らかく薄いので、余計に目立っていた。
「…いや、これはな!…ち、違うんだ!えっと…試合で興奮して…」
「…試合中、変なこと考えてたの?」
「そういう意味じゃねーよ!シュート決めたときの快感で、なぜかこっちが勃ったんだよ!」

 必死に弁解する俺をよそに、健はふーんと言いながら俺の腕を掴んで、トイレの個室に引っ張った。
 乱暴に便器に座らされた俺は、目の前に立っている健を呆然と見上げた。
「…え、…な、なに?」
「いや、純粋そうな顔してんのに、そんなことないんだなって思って」
「…は、はぁ!?」

 健はいつもより楽しそうな顔をして俺を見下ろしながら、なぜか俺のズボンを下ろそうとしてきた。
「いやお前なにしてんだよ!?」
「…そのまんまじゃしんどいのはお前だろ?」
 元々の体格が違うのだ。力では到底およばず、俺のズボンはパンツと一緒にあっけなく下ろされてしまった。
 ピンッとそそり立つ股間があらわになって、あまりの恥ずかしさに俺は思わず目をそむけた。
「なにすんだよ!…変態!」
「変態はお前だろ」

 くすっと笑った健は、あろうことか俺の股間をわしづかみにし、しごきだした。
「…っぁ!?、お、お前っ、何やってんのっ!?」
 何も言わないまま健は手を動かし続ける。無理やり与えられる快感に声が抑えられない。
「…ぁっ、やっ、やめてくれっ、ンっ、やぁ…」
「やめてとか言いながら、気持ちよさそうだけど?」
 そう言って健は、強くこすったかと思えば優しくなでたりを繰り返した。男同士だから気持ちいところがわかっているのか、どんどん快感が高まっていく。
 トイレの中に俺の我慢液と健の手が擦れるようなくちゅくちゅという音が響き渡った。

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