フラれて掘られて (Page 2)
「んなの無理だろぉー…俺の何がだめなんだよぉ」
「まあちょっと意外、信也と春人はラブラブだと思ってたわ」
よさそうな物件はあったが、今日の今日で借りられるわけじゃない。
何とか頼みこんでトランクルームは借りられたから、荷物は全部そこにぶちこんだ。
友人に頼んで数日泊めてもらうつもりだったが、嫁さんが妊娠中だとか、恋人が転がり込んでるとか、ことごとくタイミングが悪かった。
馴染みのバーでやけ酒を飲みながら、愚痴を吐き出してなんとか正気を保っているのが今だ。
「お兄さん、ずいぶん酔っているみたいだね。何かあった?」
「あ、つばさちゃんは気にしないでいいよ。こいつ恋人にふられてヤケになってるだけだから」
「んぁ…何、だれ……すげー美人じゃん」
パリッとしたシャツにいい腕時計、清潔感のあるショートヘアと少し珍しい下フレームの眼鏡。見慣れない顔だ。
つばさと呼ばれた男は俺の隣に腰を下ろし、これまたシャレたカクテルを注文している。
「俺も1人なんだけど、よかったら一緒に飲まない?」
品のある笑顔と耳当たりのいい声に思わず頷き、俺は少し度数を下げて真似るようにカクテルを頼んだ。
*****
「ん……ぁ、…」
何してたっけ、俺。記憶がかなり曖昧だ。
春人にふられて、酒飲んで、バーにいたはずなのに服を着ていない。
「あ?…っあ…だ、れ」
「……俺だよ、信也って本当にタチ?」
声は俺の下から聞こえてきた。下腹部に触れる髪がくすぐったい。
酔っていたせいか、かなり感覚の鈍い陰茎を舐められていると気付いて慌てて上半身を起こす。
状況から判断すると、俺はふられたその日につばさをお持ち帰りしたらしいが、酔っ払っていて覚えていない。
お持ち帰りといっても俺は同棲していた部屋から追い出されているし、室内は綺麗だがホテルでもない。
じゃあここはこいつの家か、それなら今日寝る場所には困らずに済む。
安心して気が抜けた俺は再びベッドに倒れこんでされるがままいい思いをさせてもらうことに決めた。
「そ、俺はタチ専。あんたも俺とやりたくなったのか?」
「うーん、そうだね。一目惚れしちゃったからさ」
「へえ…あんたみたいな美人に言われると悪い気しないっつーか…」
顔の作りがいいのはもちろん、背も180㎝ある俺とほとんど変わらないか、俺よりでかいかもしれない。
酔っていてもわかるくらいつばさの舌は気持ちがいい、春人はなんかやだって言って触ってくれなかった睾丸。
丁寧に皺を一本一本なぞられると、心地よくてつい寝そうになる。
最近のコメント