食堂での秘め事
見た目も性格も正反対の2人の魔法使いが、食堂の隅で互いの膨張した熱を慰めあっていた。それは貴族の出の彼らにはプライドに触れるものだったが、発動してしまった魔法は二人の熱の上昇を止めることはなく……。
ヴェルナーとルネは見た目も性格も正反対だが、2人とも食欲がなによりも勝ることは共通点だった。
そんな2人は討伐依頼から帰ってきてまず一番に食堂に向かうのが常だ。今日もかすり傷や服の汚れもかまわず食堂で食べものを探していた。
ヴェルナーはその高い身長と、体中を盾のように覆う筋肉が相まって、そこに居るだけで威圧を与えるような男だ。
ルネは平均的な背丈だが、周りの魔法使いが揃って高身長なのもあってやや低めに見られていること、それと体術が不得意で魔法に頼っていたから、食べることは好きなのに貧相な体なのが悩みの種だった。
それと彼らにはもうひとつ共通点があった。貴族の出であるということだ。
だが、ヴェルナーは元貴族だった。
そのせいか元々たくましい気性が年々荒さを増していっていた。
対してルネは貴族であり代々魔法使いの血を継承している、いわば血統書付きのような男だ。
「ん、ぁ……ッ」
「もっと強く扱いてくれねぇとイケねえよ。ほら、もっとちゃんと握れっつの」
「っ、ヴェルナーが強すぎるんだよ……!」
「そんなことねえよ」
そんな対照的な2人は一緒に食堂で食べものを探していたが、お互いの腕が振れた瞬間、いままで潜んでいた敵の魔法が発動してしまったのだ。
彼らは甘い電撃に打たれたように、体中が官能に敏感になってしまった。そしてそれを解呪するため、彼らは食堂の隅の床に潜んで、互いの性器を擦り合っていた。
「っ、ひ、ぁ、も、だめ、イク、イクッ」
ビクンビクンと全身を震わせ、ルネが数度目の吐精をして自身の腹と性器と、ヴェルナーの張りつめた怒張を汚した。
「お前だけイクなっての」
「やっ、だめっ、いま擦んないで、おいっ、ヴェル、アッ、ひ、ぃッ」
いまだ果てないヴェルナーの扱きが、小さく痙攣するルネの肌色の肉塊をクチュクチュと音をたてて絶えず刺激した。
ヴェルナーの怒張はルネの精液で濡れていて、よりグロテスクに感じられる。ルネの性器の裏筋をごりごりと刺激し、何度精を吐き出そうとも、ヴェルナーの肉棒は萎えなかった。
ただでさえ床に座ることすら屈辱的なのだ。それなのに、男に肉欲の塊を素手で触られるなんて。耐えがたい恥辱に、ルネの体は震えていた。
しかしルネの手はヴェルナーに包まれ、グロテスクな棒を上下に扱くことをやめさせてもらえない。白魚のような指に、硬い海綿体の感触と亀頭の凹凸を感じていた。
「もうやだ、やめよ、治療魔法が得意な、ッ、誰かに助けてもらおうよっ」
「べつに俺は構わんが、お前はそんなエロい顔を別のやつにもさらす気か?」
「……ッ」
「なにが得策か、考えるこったな。坊ちゃん」
「ばっ、ばかにするな、あぁッ」
声を潜めるその表情すら淫靡(いんび)であるということを、ルネは自覚していなかった。
ヴェルナーはもはやこれが呪いのせいなのか、はたまたルネの持つ官能的な魅惑にあてられたか、考えられなくなってきていた。
いや、もはや考えを放棄してただ肉欲にのまれていたのかもしれない……。
Fin.
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