同僚の保健室の先生から交際を迫られています! (Page 2)
初めて告白されたのは、アイツが赴任されて初日で、オレが保健室に体温計を借りに行ったときだ。
その日は若干体調がすぐれなかったが、金曜日だったので無理やり来たわけだ。案の定、寒気がするため、保健室に熱を測りに行った。
「お邪魔します…」
オレは控えめに保健室に入る。
「はーい」
奥から声がした。
あ、そういえば今日から産休の先生の代わりに新しい保健室勤務の人が来たって今朝言ってたな。オレはふと朝会のことを思い出す。
「赴任されて早々すみません、体温計をお借りしていいでしょうか?」
「あら、相田先生でしたか、まさか初めてのお客さんが先生だとは…どうぞこちらにおかけください」
奥のデスクに座っていた新しい先生は立ち上がりこちらを向き棚の近くにあるパイプ椅子を指差した。
「すみません…生徒より先に来てしまって、まだロクに挨拶もしていないのに…あれ?オレ名前言いましたっけ?」
先生はオレに体温計を差し出す。
オレはワイシャツのボタンをいくつか外し、脇にそれを挿す。
「ええ、相田和樹先生ですよね、存じてますよ」
「それは…大変失礼しました。えーと…」
「明石です、明石湊です」
体温計がピーッと間抜けな音を立てる。どうやら測り終わったようだ。
「ゲッ、37度6分」
これは普通に熱があるレベルだ。やばいな、今日は早退させてもらおうかな…
オレは体温計を眺めて思案し、座っていた椅子から立ち上がった。その瞬間、視界がぐらついた。やばい、めまいがする。
「大丈夫ですか?」
明石が近寄りオレの腰に手を回した。あ、だいぶ身長が高い人だな、そう思った。俺より大きく、がっしりとした腕に支えられる。
「他の先生には僕から連絡しておきますから、ちょっと横になってください」
そうして、保健室のベッドに引っ張られる。
「すみません、ありがとうございます」
オレは申し訳ないが、世話になることにした。
ベッドに横になると布団をかけられた。横になった瞬間、急に眠たくなってきた。オレは瞼を閉じる。
「好きです」
そう、好きです、ん?あれ?今のは?
オレは閉じた瞼を開ける。そこには明石がオレのことを覗き込んでいた。
「好きです、付き合ってください」
明石は顔を近づけオレの唇にキスをした。
どうやら聞き間違えではなかったようだ。
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