最後の共寝 (Page 2)
だが、あいつが川に落ちたのが転機だった。人間には感謝をしなければならないが、俺とルキを切り離したのも、人間だった。
自分の異常は理解しているつもりだ。雄同士では番になれないし、キスで首を絞め、同意とはいえ半ば無理矢理にルキを抱いている。
──これがルキの飼い主にばれたら、俺はただじゃすまないだろうな。
でも、初めての交尾相手がルキでよかった。
俺はルキの首輪に触れてから、自分の首を触った。なにも付けられていない自分の首は、ひどく物足りなく感じた。
「なあ、俺のこと、忘れないでくれよな」
自分の存在を刻むように、ルキの腰を掴み、繋がっている体内をえぐった。
「んあッ、はあ……っ、う、ん……っ」
苦悶の表情にうもれながらも、ルキは俺の腰に足をまわして絡んだ。それは離すまいといわんばかりにがっちりと捕らえ、体が一層密着した。
俺はそれに甘んじて、さらに激しく動いた。肉を打つ音や、結合部から鳴る水音が混ざり合い、卑猥な音が耳を犯した。
一際強く奥を穿てば(うがてば)、ルキはキャウンと子犬のように鳴いて、背中を仰け反らせた。下腹に感じるルキの性器が、鼓動のように震えて精を吐き出している。
じんわりと広がる腹の熱。搾り取らんばかりに収縮するナカに、俺も自分の欲望を残さず吐き出した。
「じゃあな、ルキ。おやすみ」
その声は闇に吸い込まれてしまいそうだった。
Fin.
1 2
最近のコメント