幼馴染は俺を求め、不眠症と偽った (Page 4)
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「息子の様子を見てきてほしい」
おばさんからそう頼まれたのは、仁が一人暮らしを始めてから一ヶ月が過ぎた頃だった。
人からの干渉を嫌う彼は自分の親ですら寄せ付けなかった。
そのときの俺たちは積極的に連絡を取り合う仲ではなかった。
なんで俺に? とも思ったが、おばさんに「こうちゃんには懐いてたから」と言われ悪い気はしなかった。
数日後、住所を聞いてここに訪ねて来たとき、仁はまるでゾンビみたいな顔をして俺を出迎えた。
生気を失った青白い顔に目の下のクマは濃く、今よりも痩せて肩からシャツがずり落ちていた。
「どうしたんだよ」と、驚いて訊けば、「もう何日も寝ていない」との答えが返ってきた。
原因は不明。睡眠薬も試してはいるものの、そればかりに頼るわけにもいかず、生活にも支障をきたす毎日だとか。
「足がむずむずしたり、冷房をつけても暑くて――」
苛(いら)立ち貧乏ゆすりをする仁の話を黙って聞いていた俺は、身に覚えのある感覚を思い出し、気を悪くするかも、などと気遣う余裕もなくそれを口に出していた。
「ちゃんとヌいてんの?」
その瞬間、仁の時が止まった。
しばらく見つめ合ったのちに、仁は「考えたけど、あまり上手くできなくて…」と恥ずかし気に答えた。
やり方は知っている。でも、自主的に行いたくはない――語尾を弱めて頬を赤らめる幼馴染の困り顔に、悪戯心が沸いた。
「手伝ってやろうか?」
我ながら狂った発言だったと思う。
当然のように目を見開く仁に構わずに距離を詰め、反応鈍く逃げる身体を背中から抱き締めた。
見た目通りの軽い身体に手を這(は)わせながら「ちゃんと飯食えよ」なんて説教じみたことを言った気がする。
どんなに嫌がろうと、暴れようと、寝不足で栄養も足りていない仁が俺に敵うはずもなく――。
勢いでズボンと下着に手を突っ込んで、萎(しお)れた性器を直に掴んで自分でするときと同じように扱いた。
やだ、やめろ、離せ――と、子どものように泣きじゃくり手足をバタつかせていた仁は、手を往復させているうちに大人しくなり…。
気付けばアソコをガチガチに硬くして、俺の手の動きに合わせて小さな声で喘いでいた。
四つん這いになって、頭を床につけて腰を揺らして、「もう、いやだ…出る…」なんてすすり泣きながら仁は俺の手で呆気なくイった。
漏らしたのかと勘違いするくらい大量の精液を吐き出したあと、仁は俺に対して怒ることも責めることもせずに、そのまま気を失うようにして床の上に倒れ、寝てしまった。
泣き疲れて寝たのか、それとも身体の疼きがおさまったからか、その時点ではわからなかった。
子どものように眠る仁をベッドに運び終え、冷静になった俺を襲ったのは、途方もない罪悪感と激しい興奮だった。
無防備な寝顔を見ながら、俺は自慰に耽(ふけ)り、その後は仁が起きるまで待っていた。
仁が目を覚ましたのは日付が変わる寸前だった。
「ごめん」
ベッドの前で土下座し謝る俺に、仁はやけにスッキリとした顔をして「また、頼んでもいい?」と首を傾げて訊いてきた。
予想外の反応に戸惑いつつも、無論断る理由もなく、答えの代わりに俺は仁にキスをした。
二回目は同じ動作を繰り返し、仁が慣れてきた三回目から「俺のも触って」と互いにコキ
あった。
五回目で素股、六回目のときに初めて仁を抱いた。
以降は呼び出されるたびにセックスをした。
今回が何度目かなんて、もう覚えていない。
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