始まりの予感 (Page 2)
「先輩?」
「…ッ…」
「痛い?」
「痛くはないけど…」
「だよね。先輩のためにすげぇほぐしたもん」
「ほぐ…はっ、んッ!」
「もうちょいで全部入る」
その声に、先ほど見た凶器を思い出す。
あんなのが自分のケツに入るのか、純粋に興味を持った。
顔をあげて下半身を見れば、半分以上が入っていた。
「す、すげ…」
「あんま可愛いこと言わないでよ」
「可愛いって…」
「可愛いですよ。先輩はずーっと、ねッ!」
──ズップン!
「うおっ!?」
「色気ないなぁ」
視界がチカチカし、呼吸が止まった気がした。
身体の奥から何かが圧迫するような感覚に不快感を覚える。
しこっててイケないときとは違って、女に入れたい感覚じゃない。
もっと違う何かが欲しい。
「…先輩、男初めてじゃないの?」
「……?」
「それとも飲み込みが早いのかな?」
海斗は俺の両手に指を絡ませて恋人繋ぎをする。
見上げる海斗は色っぽくて、『可愛い後輩』の面影なんてどこにもない。
「動くよ」
「え、うぁっ!」
軽く奥を突かれ、不快感の正体がわかった。
「かい、と…おく、おくが…」
「わかってます。でも、最初はゆっくりね」
「へ…? あ、ん…、ん…!」
ゆっくり上下する海斗のソレに、次第に味わったことのない快感を覚える。
「はぁ、ぅん…っぁ」
「…きもちぃ?」
「きも、ちぃ…!」
「ははっ、よかった」
慣らすようにゆっくり、ゆっくりと腰が動いた。
ぐちゅん、ぐちゅんとやらしい音が興奮をかき立てる。
「ぁ、ん…ははっ」
「先輩?」
「んっ、あぁ、いや…セックスしてるみてーだなーって…」
ここ一年くらい彼女いないから、ご無沙汰だったんだよな。
男とすんのは初めてだけど、ホントのセックスみたいだ。
「へぇ? みたい、ね」
「かぃと? どうし──ぅ、ぁあッ…アァッ!」
バチュンッと大きな音が響き、身体の奥に今までにない快感が訪れる。
速さを増した腰は、パチュパチュッと音をたてながらケツを打ちつけ、ムズムズと息子がまた騒ぐ。
「先輩と俺は本物のセックスしてんすよ。ほら、聞こえる? 女よりもすげぇ音?」
「あっ、あぅ…お、と…? ふぅッんっ!」
「男は女みたいに濡れないけど、ローション大量に使うから女よりエロい音すんだよ」
女みたいに濡れない…?
ろーしょん?
よくわからん。
よくわからんけど、すげぇヤバイのはわかる。
今までで一番、気持ちいい。
「あっあっあっあう…ッ」
「ッ…先輩えろっ」
「はあぁっ、マ、ジ…きもちぃ。おま、え、すげぇな…」
仕事できるだけじゃなくて、こんな気持ちいいこと知ってるとか最強じゃん。
顔はいいし、筋肉あるし、若いし、息子はでけぇもん。
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